エラーした恋

ああ誰がこれを恋だと認めるのでしょう!!しかし、けれども、だから、それで、これこそが!!大事なことはこの感情が恋だと言うこと。身勝手極まりない一方通行だと言うこと。それでもいいじゃないか。傲慢だって個性だと言えば済まされてしまうでしょう?所謂私は恋をしてる自分に恋してる。不純にして迷惑千万。それでも恋する乙女なのです。彼の一挙一動に喜んで、彼の一句一音に傷ついた。良いように妄想して現実に打ちひしがれたり、自意識過剰になって振る舞ってみたり。構わないのだって恋する私は素敵に無敵。あの人はいるだけでいいわ。明日もまた悲劇のヒロイン。トップスターを夢見てる。この世界に夢見てる。

「だから私と付き合ってください。」

失恋なんて言葉を作った人はだあれ?その表現は根本から間違っていると分かってるの?“恋”を“失う”だなんて有り得ない。私なら“断恋”だわ。恋に恋する私が恋を失うだなんて笑えない。真実には程遠い。そう言って何にもない振りをする。本当は分かってるのに殻に籠もる。馬鹿な私。本当は愛したいくせに。現実を恐れてる。嫌わないでって叫んでる。だから私は自己暗示を繰り返して繰り返して。大丈夫って言ってほしいだけで。なんて悲しや独りよがり。

「はい。」

愛していいのですか?返されたたった二文字に含まれた貴方の感情は簡単には処理しきれなくて。指が震えた。なんてこと唇が乾いてる。貴方は“ありがとう”と微笑んでくれて。あ、あ、なんで、分からな、だって、私は。脳が彎曲する。エラー発生エラー発生、そんな貴方を私は求めてません。そうして貴方が嫌いになって。貴方が肉塊になった頃また貴方に恋をします。

《恋に恋する私にまだサヨナラできない。》


(身勝手な女⇒←優しい人)
20100810




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