悪夢は繰り返す

※つまらなーいハナシ。

泣いている。誰かが泣いている。見下ろせば少女が倒れた男を胸に抱き、空に慟哭している。男の首は肩口から無残に噛み千切られ、ほとんど元の形を成していなかった。少女は泣き止まない。その間にもユラユラと辺りから死体が集まってくる。血溜まりが広がり少女のズボンが赤色に染まってゆく。ゾンビに肩を掴まれ死した男と同じように貪られているにも関わらず、少女は抵抗しようともしない。慌ててオレは腰にあるハンドガンを取りだそうとするが、ズボンを撫でただけで何も掴めなかった。攻撃が出来ないと分かり、少女にこの場を離れるよう伝えようとするのだが、少女は抱えた男の顔を虚ろ気に見つめたまま固まっていた。

「アナタがいなくなった世界にどう生きればいいの?」

小さく漏れた少女の声が耳に届く前にオレは前に出ていた。何をしているんだと声を荒げれど届かず。あっと言う間に少女にゾンビが折り重なるように襲いかかり、見えなくなってしまった。オレはその光景のおぞましさに小さな嗚咽を漏らし、その場から逃げるように立ち去ろうとした。逃げ出した時にゾンビ達の隙間から見えたのは、刺青の入った腕から伸びる手に、小さな手を絡ませた少女だった。見えた光景に言葉が出てこない。じゃあ今のオレは、一体なんなんだ。彼女が、少女が、レベッカが抱いていたのは。




「お願いよ!!ビリー、起きて!!」

彼女の、レベッカの声がする。泣いている。ああまたオレは繰り返しているのか。思うように身体が動かない。この光景は前にも見た。何度も何度も想像し、体験してきたからだ。すまないレベッカ。またオレは繰り返してしまう。君を泣かせてしまう。どうすれば、どうすれば良かったんだ。答えはもう見つかっている。けれど本当に良いのだろうか。この選択は。

「レベッカ…。」
「ビリー!!」
「頼みが、ある…。」

もうこれしかない。息が吸っても吸っても、ヒューヒューと抜けていくことに死期を感じる。今、今言わなくては。この無限地獄から抜け出すために。















「このプレイヤーには荷が重い。ランクS取るとか気張らなくていいから、救急スプレー使ってくれ。」


(シリアスさを醸し出しつつギャグのビリー×レベッカ)
20101224




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