リレー小説 | ナノ


  06



【Write:月神さん】

「Art Clubだよ!アートクラブ!!」
ジュースを片手であげニコニコしながら霞が言う。どうだ!英語言えただろ!!と言わんばかりな表情だ。
「わーすごい!よく言えたね霞!」
と優が褒めるが、その言葉に感情が入ってない。
「弱小美術部だけどね、でも二人の先輩が入ったことで少しはレベルアップはしたかも」
霞の事はスルーして卓弥がジュースを飲む。
「わあ、そう言ってくれるなんて嬉しいなっ」
拓海が照れながら頭をかく。その姿が愛らしい。
「弱中ぐらい?」
霞が普通に聞く。
皆は思う、こいつは天然なのかバカなのかよう分からん。

「へー面白そうだな!」
ギルはウィリアム達の隣のテーブルの席に座る
。それを見て後の二人も席に座った。
「じゃあさ!見学してみる?」
ジュースにストローをさして恵が言った。
その意見にあとの五人が賛成してきた。
「いいのか?よし行こうぜウィル!」
来なよ来なよと皆がウィルを誘う。
「…うん。面白そうだから行こうかな」
「よっしゃっ決まり!!」
次はやった!!やった!!と騒ぎだした。
ウィルは皆の嬉しそうな顔を見ると、恥ずかしそうにジュースを飲んだ。

優が頬杖を立てている千尋のトレーを目にした。
「ちーさん!もう食べたの?!わっジュースも無い」
千尋のトレーには丸くなった包み紙と空になったジュースだった。
「ちゃんと噛みなさいてっいつも言ってるでしょ」
母親のように卓弥が言う。
すると頬杖を立てていた千尋が驚いた顔していた。
「お袋!?」
「うるさい」

まだオレ全然食べてないよと霞が指差して見せる。そんな中ウィリアムはバーガーにピクルスが入ってないか確認し一口ずつ食べていた。

沢山の話をしていると時間が経つのが早く、もう日がくれていた。
「もうそろそろ帰ろうか」
皆が店から出ると、明日部活に来てねと恵が二人に言った。
「おう!」
ギルが親指を立てて笑う。

六人はギルとウィルが部活に来てくれる事が嬉しくまた騒ぎだした。
「慎ちゃんどんな顔するだろうね!」
「見知らぬ子が来たらビックリするでしょ」
「しかも外国人」
藤崎先生の事で話題になってみるみたいだ。
二人はそんな六人の後を歩く。
「ウィル」
するとギルが前を見たまま声をかけてきた。
「良かったな」
ウィルは嬉しそうなギルの横顔を見た後、前の六人を見つめて微笑んだ。
「うん」





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