2024/01/17(Wed)
「明日の来る確率1」(海賊)豹スパ
1.諜報員

 法を司る司法の島、エニエス・ロビー。通称、昼島とも呼ばれるここは、世界政府諜報機関CP9及び裁判所が建設されている。闇に紛れる諜報員を煌々と照らし出す島には、多くの職員が務めている。昼でも夜でも明るい島では常に人の気配があり、任務帰りの気が立っている少年にとって何もかもが煩わしかった。石床を靴のかかとで踏みつけるたびに、こびりついた血が廊下を汚していった。

「うっっわ。くっせ!お前鼻曲がってんじゃねぇ?!」
「うるさい。」

司令官室へいくと長官に書類提出していたらしいジャブラと出会った。ルッチの物ではない血がべったりとついた姿にスパンダインと共に顔を顰めていた。今回の任務は革命軍とつながりがある貴族の屋敷へ、とある情報を手に入れるだけであった。ついでに不幸な貴族は事故死に処理される予定…だったのだが、どこで嗅ぎつけられたのか屋敷は迎え撃つ準備が整っていた。致し方なく全てを処理した際に、最後の悪あがきで肉爆弾が走り寄ってきた。それだけならまだよかったのだが、その手にはこちらの欲しい情報が握られていた。素早く剃で踏み込み、手の中の情報を抜き取って離れるはずが、床に真っ二つで転がる死に体がギラギラと瞳を光らせてルッチの足首を握り締め…ーーー。

「ぎゃははは!よけきれずに、血潮ひっかぶってきたってか!」

濡れ猫め!と爆笑するジャブラに益々眉が寄る。鉄塊を習得している為、彼らの決死の足掻きは徒労に終わったのだが自らの意思ではない血化粧は不快でならなかった。
情報が入った端末を引き渡し、風呂に向かうルッチへ長官は次の任務を言い渡した。任務から帰還して間髪いれずに次を言い渡されることは珍しくはないが、内容はここへ来てから初めてのものだった。


大人二人は長官室を後にする子供の背中を見送りながら、どうなることやらと肩をすくめる。

「アンタも人がわりぃな。あいつに出来きるわきゃねぇのに。」
「できるようになってもらわんと困るんだよ。しかし、天才児ってのも餓鬼なんだなぁ。」
「”クソ”と”馬鹿”が抜けてるぜ。」

意地悪く笑う声が部屋に響き渡る。

『No.xxxxx
隠須摩洲での調査にて、"悪魔の書"の情報を精査。詳しくは、現場にて情報開示。

派遣諜報員:cp9 ロブ・ルッチ

備考:本任務において他部署であるcp5から一名派遣。』
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