あれから俺は三強にリベンジする為に猛特訓をした。ぜってぇ負けねぇ…そう思いながら無我夢中に球を打ち込んだ。多分あいつの言葉がなかったら俺はこんなに努力してないだろう。あいつの言葉が俺に力をくれるんだ。努力の成果だろうか、パワーもついたしスプリット・ステップだって出来るようになった。俺は…ぜってぇ負けねぇ!!


***


「赤也」

「なんスか?幸村先輩」


俺は三強である幸村先輩と真田先輩と柳先輩に果たし状を突き付けて真田先輩と試合をした。結局負けてしまったけど、更なる高みを目指せと言われて立海大附属中テニス部に見事入部したのである。(その後真田先輩に果たし状の漢字が間違いだらけだ、たるんどる!と鉄拳を食らった。入部早々扱いがひどくねえか?)

「赤也が初めて試合を挑んできた時、髪型が肩ぐらいで目がぱっちりしていて身長の低い女の子と会わなかったかい?」

「えーっと…………ああ!ハンカチのやつ!!」

「その様子だと面識があるみたいだね」

「なんで幸村先輩がその事知ってるんスか?」

「だって俺となまえは幼なじみだからね」まじスか?!と言うと幸村先輩はところでハンカチってなんだい?と聞いてきた。俺はあの時のことを話すと先輩は一年校舎のほうを見て、ふぅーん、あいつがね…と呟いていた。ていうかあいつの名前ってなまえって言うんだ…べ、別に俺には関係ねーけどよ。


「それで赤也はなまえにハンカチを返したのかい?」

「あ、いや…、洗って返そうとしたんスけど、あいつ何組か分かんなくて…」

「確か1年B組だと言ってたよ。借りたものは利子付きで返す、これが礼儀だ。ハンカチは持っているよね?いつ何処で遭遇するか分からないのだからもちろん持ち歩いているよね?まだ教室にいるだろうから今すぐ返しておいで」

前々から思っていたけれど幸村先輩は綺麗な容姿とは裏腹に結構…黒い。ニコッと微笑まれたけど目が笑ってなかった。おまけに悪寒まで…俺はイエッサー!と言う声と共にB組を目指した。ていうか利子ってなんだよ!


(精市、あまり後輩をからかうのはやめろ)(ふふっついね)
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(20110117)


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