※夫婦設定


カーテンの隙間から朝日が差し込む。目を開けると目の前には愛しい愛しい精市の姿。頭の下には彼の腕、つまり腕枕。


「おはよう、よく眠れた?」

『うん』


私はこの時間が好き。目を覚ますと大好きなあなたが微笑んでくれているの。私は頭を撫でてくれている手を止めて精市を抱き寄せた。素肌と素肌が触れ合い、なんとも言えないような感情が込み上げる。精市は積極的な私の行動に少し驚いていたが、すぐに余裕そうな表情で微笑んだ。


「なまえが積極的だなんて珍しいな」

『幸せなの。この瞬間が』

更に力をこめて抱きしめると調子狂うよと言って私の額にキスをおとす。精市のふわふわな髪が頬にかかってくすぐったい。ああ、すごく幸せ。





「・・・天に在りては 願わくば 比翼の鳥となり 地に在りては 願わくば 連理の枝とならんことを・・・」

『なあにそれ』

「白居易の長恨歌の一節だよ」

『どういう意味?』


「私たちが天界へ召されたら、羽が繋がった二匹の鳥になりましょう。また天界から地上へ戻されたら、枝がくっついた二本の木になりましょう。つまり私たちは、今も、次の世も、その次の世も、夫婦であろうっていう誓いの言葉だよ」



精市からその言葉を聞いた瞬間胸が熱くなって頬から涙がつたった。すごく素敵、だけどちょっと切ない。精市は泣き虫だねと言って私の涙を拭ってくれた。


「この誓いを比翼連理って言うんだけど、俺はあんまり好きじゃないんだ。紹介しておいて言うのもあれだけどさ」

『どうして?すごく素敵じゃない』



「俺はたとえ生まれ変わったとしても羽が繋がった二匹の鳥や枝がくっついた二本の木にはなりたくないんだ。俺はまた人間として生まれて絶対になまえを見つける。そして今のように愛し合うんだ。何千回、何万回生まれ変わったとしても、俺はなまえを見つけられる自信がある。それに人間として生まれないとこうやってお前と一緒にいられないだろう?」




だからなまえも人間として生まれ変わらなきゃ駄目だよと精市から抱きしめられた。嗚呼、彼はどうしてこんなに私を溺れさすのでしょう。



深い深いキスをする。何度も何度も角度をかえて。



『私も絶対に精市を見つけ出すよ。何度生まれ変わっても。精市が愛おしくて愛おしすぎるから・・・』




こうして今日も快楽の底に溺れていくの



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長恨歌を題材にしてみました。
古典はgdgdなおりゆえに
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(20110108)
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