『なんか真田の背中って男らしくていいなぁ…』

みょうじは窓から体育で持久走をしている真田を見つめながら呟いた。

『ねぇ、ブン太もそう思わない?』

「んー」

『真田って同い年に見えないよねー』

「んー」

『真田って強いよねー』

「んー」

『なのに幸村くんには弱いよねー』

「んー」

『真田ってかっこいいよねー』

「んー……?」

『真田の背中を見てると抱き着きたくなるよねー』

「ブッ!」

『ブン太汚ーい』

俺はかんでいたガムを思わず吹き出してしまった。誰のせいだと思ってんだこの野郎。本当こいつは唐突すぎる。

「お、お前正気かよ!」

『失礼な!十分正気だよ!』

「お前真田に抱き着いてみろよ!たるんどる!って鉄拳食らわされるぞ!」

『寧ろ鉄拳食らいたい!』

なんて変な女なんだと俺は思った。鉄拳食らいたいだなんてドMすぎるにも程があるだろぃ!大体真田がいいなんて珍しい奴もいるもんだな。もっとかっこいい俺とか俺とか俺とか!っていう冗談はさておき…

いつの間にか授業が終わっていたようで廊下が騒がしくなる。

『あ、A組がB組の前通るよブン太!』

「真田目当てかよぃ」

『ふっふーん♪あ、きた!』

真田は姿勢よく堂々とB組の前を通り過ぎた。男の俺から見ても真田は逞しくて頼りがいがあるような背中をしている(背中だけな)。そう思っているとみょうじは教室を飛び出して廊下を駆け抜けた。まさか…




『さ〜な〜だ〜!!!』



ガバッ



「ぬおっ!!」




『大好き〜!』





真田の顔は沸騰したぐらい真っ赤だった。背中にあたった柔らかい感触に驚いてしばらく動けなかったのはここだけの話。



(真田って意外とムッツリなんだな…)(今頃知ったのかい?)(あ、幸村くん)(今日の部活はたるんどる真田にいつもの練習量の2倍にしてあげようか)(哀れ、真田)
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gdgdすぎて乙
ちなみに真田と夢主さんは付き合っていません。

(20110108)
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