『蔵〜』

「おん?」

『これ、壊れてしもた…』






俺の彼女、なまえが持っていたのは初デートした時にゲーセンで取ったミ◎キーのキーホルダーやった。





これ、今までつけててくれたん?と聞くとなまえは少し顔を赤らめてこくっと頷いた。やばい、めっちゃ可愛い。


俺等が付き合い始めたのは中3の夏。テニス部のマネージャーやったなまえに全国大会が終わった後、俺から告った。初デートしたのは俺等が引退したすぐやったし今は高3やから、かれこれ3年も使ってくれていたことになる。

『蔵がゲーセンでお金いっぱい注ぎ込んで取ってくれたやん。やから大事にしたかってんけど…ごめんな』

確かにあんまり慣れないクレーンゲームに試行錯誤した覚えがある。(今なら一発で取れるで!)でもそんな3年も使ってくれたら充分や。もう可愛すぎる!俺めっちゃ幸せ者やな。そう思ったらなまえを抱きしめずにはいられんかった。

『ちょっ、蔵!?ここ教室っ…』

もう周りの目なんかどうでもええ。なまえが愛おしい。

「そんな長いこと使ってくれておおきにな。俺めっちゃ幸せや。なまえが愛おしくてたまらん」

なまえは顔を赤らめて胸に顔を埋めてきた。

『だって蔵がくれた物は全部大事にしたいんやもん』


あ〜もう、俺を死なす気かっ!


「ホンマお前が好きや」

『ん、私も』




それはとても胸が一杯な瞬間




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ET-KING
"新恋愛"より

(20101227)
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