「そーしれいのおてて、すきだよ」「こんな古びた手がかね?」「じいじのおててもね、おっきくてぼろぼろなんだよ。でもね、すっごく優しいんだよ。ぎゅってしてくれるの」「…そうか」「そーしれいのもね、一緒。みんなを守ってきたんだね」「…」「すてき。とっても素敵なおてて」「…ありがとう」

この子が居るからといって、私のしでかした事実が消える訳ではない。私は幾多の善良なる人生をぶち壊してきた。それは許されぬ罪で、私は罰せられなければならない。それでも、その者の子からこんなにも暖かく思いやりを含んだ言葉を吐かれては、私は。矜持も何もかも捨て、縋りたくなる。この無垢な瞳は優しすぎた。

≪総司令とお子≫

おじさんもパパも、そーしれいのこと嫌いなんだって。なんでだろうなぁ。あんなにおっきくてかっこよくて、優しいのに。おばさんにきいてみた。おばさんはその大きくてキラキラしてる目をもっとキラキラさせて、「お前はお前の思うまま、生きればいい」って言った。頭をなでてくる手がすこしいたかった。

≪色々と複雑な心境な外野≫

青とも赤ともとれない、緩やかに混ざった色の瞳を持つ幼子は、気付けば立派に成長していた。大人びた表情に父親が被り、微笑む顔に母親が被る。二人の特徴を存分に受け継いだ奇跡のような子供は今、   大型機を押し倒していた。   拝啓、地球で暮らすおっさんへ。あんたどこで教育間違えたんだおいこら。

≪立派に成長しました≫

むに、むに。まろい指で唇を潰される。形が変わろうと、伸びようと、お構いなしだ。むに、むに。先程から飽きもせず、潰され続けている。「…むぅ」幼子は唇を触っていた指を、「あ、」そのまま己の唇に寄せる。「ふふ、間接ちゅーだ」指の腹が小さな唇をなぞり、一周する。顔から火が出そうだった。


困った。膝に乗ってきた幼子を好きにさせていたら、知らぬ間に寝てしまっているなんて。通りで妙に静かだと。不安など何もないように眠る姿に、恒久の平和を見た気がした。握られた掌の、小ささが愛しい。きっとこの子は、誰よりも美しく、そして軽やかに羽ばたくだろう。その日がとても、待ち遠しい。

【そして成長したお子に押し倒されてえっ?えっ?ってなってるそーしれいが僕は見たいんだ】

背中が床と仲良くなった。なんだこれは。どういうことだ。「総司令!」逞しく成長した幼子が目の前にいる。私の肩を掴んで。「総司令!俺の奥さんになってください!」父親寄りの声は、彼よりも張りがあってよく響く。「駄目ですか?」愛嬌のある顔は母親似か。「混乱してる総司令も可愛いなぁ」待て

≪お子は行動的≫



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