幼い掌が一つ目をなぞる。「ぱぱ」呼ぶ声のなんと愛しいことか。「ぱぱ?」首をかしげる姿さえ、余すことなく記録したくなる。「ぱぱ、なかないで」自分は泣いていたのか。通りで我が子が霞んで見える訳だ。「ぱぱ」「どうした」「ぱぱ、しあわせ?」口があって良かった。微笑むことが出来るのだから。

≪パパとお子≫


眠る我が子を見守る妻。寝台の縁に座り、右手は子の頭に添えられ、優しく撫でていた。「いま眠ったところなのよ」入り口から覗く私に向かって、妻は小さな声で言った。彼女の側に立つ。子は深く寝入ったらしく、寝息も穏やかだ。「ねぇ、ショック」妻が子を眺めながらぽつり、呟いた。「私、幸せだわ」

≪パパとママ≫


一つしかない目は、キラキラと輝いている。紫を主にした機体色。ほっそりとした上半身のシルエットとは対照的な、ふわりと広がるドレスのような下半身の装甲。可愛らしい女の子。宝石の如く煌めく女の子。愛しい愛しい、私の宝物。「ねえ、ショック」傍らで妻が微笑んで呟く。「お母様似ね、あの子は」

≪ぱぱとままから見たお子≫


「おふろー」「こら、まて、走るな!」「やだーおふろはいるー」「待ちなさい、準備が…!」「きゃー」「この…!止まらなければお風呂上がりのみっくちゅじゅーすはナシだ!」「(ピタッ)パパおそいよーはやくー」「なんて現金な子なんだ…ほら、走らなくてもお風呂は待っているだろう?」「うん」

百まで数えようね、とママが言う。ずるはいけないからな、とパパが言う。三人で入るには小さな湯船に、ぎゅうぎゅうになって浸かっていた。「ままぁ、ぱぱぁ、あちゅい」「だめよ、しっかり温もらないと!」「明日は一時的な寒気に星全体が覆われて冷え込むんだ」「やーん」そうは言っても、みな笑顔だ

≪みんなでお風呂≫


「ショックス」「…俺は何もしていない」「ショックス」「…俺は無実だ」「ショックス?」「……俺は」「返事はイエスしかないわ」「イエス」 ぱぱとままなにしてるのー?ママの秘蔵のお菓子を知らずに食っちゃったんだと。あちゃー。あちゃーだよなぁ。しかも不味いって言ったんだと。ぱぱさいてー。

≪ぱぱ、ままに怒られる≫


愛しているよ、愛しているよ。些細な言葉だ。短くて、すぐに中空に溶けだす。「とーたん」腕の中の子供を抱き締めた。高いが甘い声の、その有り様が。愛しているよ、愛しているよ。何度も繰り返す。刻み込むように。「とーたん、だいすき」母親に似た笑顔で子が笑う。愛しているよ、私の大事な宝物。

≪ぱぱと≫

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