「ごめんなさいなんて言いたかねぇよ」

 スタースクリームにとって、愛とは買うものだった。それは買って手に入れるものだった。沢山買うには大金が要る。大金を手に入れるには地位と権力が必要だ。では地位と権力を手に入れるには何をすべきか。どんな手を使っても伸し上がるしかない。
 そうしてスタースクリームは上に立つことを目指した。持ち前の頭脳と火力を駆使し、彼はどんな手を使っても伸し上がろうとした。時には苛烈な批判を浴び、時には陰口を叩かれ、時には面と向かって存在を否定された。

 それでも彼は平然としていた。彼にとって誹謗中傷など些細なことだからだ。上り詰めた後で粛清すればいい。
 彼は愛が欲しかった。沢山の愛が欲しかった。唯一の愛が欲しかった。

 だから、彼は謝らない。どれだけ己の行為を批判されようと、謝罪を求められようと、謝らなかった。嘘の謝罪ならば、ぽんぽんと滑るように口からは出た。しかし、そんな薄っぺらい謝罪が、見抜かれぬはずがない。それでも彼は平然としていた。彼は己の生き方には絶対に謝らなかった。心からの謝罪など、したことがなかった。

 スタースクリームにとって、愛とは買うものだった。彼は愛を手に入れる為なら、愛を買う為の金を手に入れる為ならどんな卑劣な行為でもした。そして彼は、その行為に対して謝ることなど一切なかった。

 彼は嫌われ者だった。だが唯一欲しいものがあった。彼が裏切り、出し抜き、追い付こうとした、彼の唯一の愛を持っている、彼の絶対の所有者だ。
 彼は今日も嘘の謝罪を述べる。それが見抜かれていることなど、とっくの前に知っていても、だ。

 スタースクリームは愛が欲しかった。メガトロンからの愛が欲しかった。だから買おうとした。己の全てを使って買おうとした。それなのにメガトロンは、彼の行為を咎める。
 だからスタースクリームはいつもこう思うのだ。

「ごめんなさいなんて、言いたかねぇよ」




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これもテーマソングからタイトル取りました´`
2013/02/06
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