次の日、私は沖田くんを学校案内を放課後するつもりだった。つもりだったのに・・その予定は一気に潰れた。
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「桃子〜、ちょっと抜けやせん?」
隣に座っている沖田くんに肩をつつかれ、振り向くと行きなりその言葉
『え・・!?んな、だめ・・・「先生、こいつ腹痛いぽいんで保健室連れて行きやす」
「藤森、大丈夫か?保健室で休んで来なさい。」
『ちがっ「はいはい、行きやすよー」
沖田くんに腕を引っ張られ教室を出る。
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『あの・・・困るんですけど。』
だって、今ちょうどやってる所分からないんだもん
「そんなの家帰ったら教えてあげまさァ。それより学校案内して下せェ」
『えっ、今!?』
こくんと頷く沖田くんに私は驚く。なんて自由な人なんだ・・
そうして私は渋々ながら学校案内を始めた。
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沖田くんは屋上が気に入ったようだ。私も屋上が一番のお気に入りの場だったので共感できるというのは嬉しい事だった
『・・・んはは』
「なんかおかしいですかィ?」
『いや、沖田くんらしい場のチョイスだと思いまして・・』
「あぁ、ていうか・・・」
『むぐっ!!』
沖田くんに手で口を塞がれる。何‥私なんかやった?
「いい加減《沖田くん》っての辞めやせんか?俺だけ名前呼びとか・・なんか・・・嫌でさァ」
『・・・ふはは、なんだそういう事か。じゃあ総悟くんね?』
「やだ」
『沖田!』
「なんでそうなる・・・」
このときの私はどうしても《総悟》と呼びすてにするのは難しかったんだろう。今まで男の子の友達なんて居なかったしね
『じゃあ・・そ、そ、総悟で』
「良くできました」
そう言って頭を撫でてくれる手は大きくて温かかった
『にしても、此処、風が気持ちいいよね』 「あぁ」
2人は屋上の策らへんに並んで座った。
「なぁ、桃子。なんで俺があの日玄関前に倒れてたか教えてやりやしょうか?」
私はこくんと2回ほど頷く。今私が気になっている事だったからだ
「俺ァ、タイムスリップしてきたんでさァ。江戸時代から・・・信じる?」
あまりのメルヘンな言葉に私の頭は混乱してしまう。江戸時代から来た?確かにあの黒い服なんてあまりみないけど、沖田総悟って言う名前もなんか被りかけだし・・しゃべり方だって
『うん、総悟本人がそう言うなら信じるけど・・・、どうやってこっちに来たのさ』
「それが俺にも分かんないんでさァ。確かくしゃみをしたらいつの間にかこっちに来てたんでィ」
『くしゃみ・・かぁ』
「あ、でもポケットの中に変な紙が入ってて、それには・・・」
あれ?おかしいな・・急にな睡魔が私を襲う。何でだろう昨日よく寝たのにな、
どんどん総悟の声が遠ざかっていく
ダメだ、大事な話なのに・・
そこで私の意識はなくなった。
***
話して居ると、桃子が俺に向かってもたれかかってきた。首が肩にある感じだ。目は瞑っているもののそのまま話し続けた。
「それには、好きな異性とキスしたら戻れるって書いてあったんでさ!ふざけてると思いやせん?」
無反応な桃子。やはり寝ている。寝顔が結構可愛い。俺は少し意識して桃子の唇を見る。
「キスかぁ・・・」
キスしたら戻る。
でもそう考えると、心の奥がギュッと寂しい想いがする
もう一度、桃子の顔を見るとなぜか変に意識してドキンとしてしまう
「は、反則でさァ!!」
その頃、ちょうど4時貫目のチャイムがなった。今から生徒がお昼を食べに屋上に来るだろう。だから、俺はポケットからアイマスクを取り出し桃子に装着した
桃子の寝顔を独り占めしたかったから。
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