ある所に現代の極々普通の女の子と江戸時代のドSな男の子が居ました。
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「はわ〜今日もサボリやしょ」
「あ?何言ってんだ総悟。お前今日巡回だろ」
「あーあ。そこに土方さんが居たとは、しくじりやした。んじゃ」
そうして江戸時代のドSな男の子は江戸の町を巡回しにいきました。
「ははっくしゅん!!・・やべ風邪かねィ?」
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『ねえ、お兄ちゃん。新選組ってさ近藤勇と土方歳三と沖田総司がいるやつだよね?』
「え、あぁ・・そうだけど。どした?いきなり」
『友達が好きなんだよ、新選組。だからちょっとね』
そうして現代の極々普通の女の子は自分の部屋へ戻っていきました。
『へっ、へくしょん!!・・あれ?昨日傘ささなかったからからかなあ』
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くしゃみをした俺は急に意識を失った。土方さんの「総悟!総悟!!」という声がどんどん遠くなって最後には聞こえなくなった
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家の外でバタンと大きな音がしたから私は玄関へ行ってみた。そしたら黒い服を着た栗みたいな髪色の男の子が玄関の前に倒れていた。
『だ、大丈夫ですか!?』
ゆさゆさと揺らすが反応がない。私はお兄ちゃんを呼んできて、その男の子を運んで貰った。
しばらく、男の子を眺めていると
「・・・ん」
どうやら目が覚めたようだ。
『大丈夫?』
「・・此処は?お前誰でィ」
『此処は私の家。私は藤森桃子。あなた、玄関の前で倒れてたんだよ?』
事情を話すと、男の子はポカンと口を空けたまましばらく閉じなかった。
「なんで俺此処に・・あぁ、俺の名前は沖田総悟でさァ。よろしく、桃子」
『沖田総司じゃん!!ま、まあとりあえずよろしく、総悟』
二人は握手してやんわり微笑みあった。
嘘、若干沖田くんの口角がニヤリと上がっていたのだった。
「ところで、俺泊まる家ないんでさ。此処OK?」
『いや無理です。すまん』
「チッ、即答かよ」
なんだ此奴?強引な人だわね。
「あら〜いいじゃない。お母さんOKよ!」
『え、ちょ・・待って。んな勝手にさ』
「ありがとうございます!母上!!」
あれ、こいつキャラ変わってるよ?
「じゃあ屋根裏部屋のちょっと狭いけどそこ自由にどうぞ〜」
「はい!」
なんだか嫌な予感がするのは私だけだろうか?
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