「はい!」
『え、くれるの神楽ちゃん!?』
「今日は11月11日。ポッキーとプリッツの日アル!銀八がプリッツは要らないてくれたけど、アタシ‥酢昆布派だから要らないネ!食べるヨロシ。」
『サンキュー!』
神楽ちゃんがくれたのは、プリッツ。ごくごく普通のサラダ味だった。私はサラダ味好きだったし、とても嬉しかった。さっそく袋を開けた。ふわりとサラダの匂いが鼻をくすぐる。私はまるでじゃがりこのようにモグモグ食べていた。
『んーま!』
「何食べてるんですかィ?」
前に座っている沖田にクルッと振り向かれ話しかけられた。
『プリッツ〜。神楽ちゃんに貰ったの!まぁ神楽ちゃんは銀八先生から貰ったんだって、沖田もいる?』
「じゃあ、貰いまさァ」
私は沖田に2本あげた。なぜかと言うと、もう私のプリッツは残りはすべて半分にバキボキに折れてしまっていたのだ。
『すまん、全部折れてるから』
「それは好都合でさ!」
沖田が満面の笑みになるときは何かを企んでいる時。でも、今の私には何を企んでいるかなんて分かるはずもなかったのだ。
「名前、プリッツくわえなせェ」
言われるままにくわえてみるが、
「積極的ですねィ。そんな短いのくわえるなんて」
積極的?確かにたまたま取ったプリッツは5センチほどしかなくて、短いと言えば短いサイズだった。
「じゃあ、」
沖田が私のくわえている方と反対側をくわえる。
『‥ちょ‥』
くわえているため、上手く話せないのである。また沖田はニヤッと笑う。そのまま、沖田はどんどんプリッツを食べて私に迫ってくる。そこで分かった。これはポッキーゲームならぬ、プリッツゲームだ!しかし、気づいた時にはもう遅く‥沖田の唇は私の唇に到達していた。
『‥‥‥ん』
長いキスで酸欠になりかけている私。
「‥ぷは、名前可愛すぎでさァ」
『‥‥‥‥は!』
沖田の言葉に体が正常化する。周りを見渡せばみんなこちらをガンミしているではないか!!
「名字と沖田くん、お菓子の持ち込み禁止‥それと‥‥まぁ、とにかく!!廊下に立ってなさい!」『エェェェッ!!』
またまた沖田がニヤッと笑う。この男ムカつく!だけど、そんなに嫌じゃなかったのが不思議だな。
プリッツゲーム(ファーストキスだったのに!)
(知りやせんー、)