このお話はバレンタイン企画の続編です。まだバレンタイン企画をよんでない方はそちらを先にお読みください。
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『むぅ〜』
なんだよ、なんだよ!
みんなはさ‥ホワイトデーでキャピキャピしていたのにさ〜私なんてあれから総悟との進展もなく。と言うか、ホワイトデーからもう半月以上が経っているわけでして
『‥‥‥はぁ』
・・・・・・・・・・・
「はぁーなんか面白くねーや」
「沖田、今更だけど名字にホワイトデー返したのか?本命だったんだろ」
「‥‥‥ハッ!」
すっかり忘れてやした!!他のやつのはどーでもいいけど‥名前だけは絶対に返さないと
・・・・・・・・・・・
部活も終わり、帰ろうとしていると部活終わりの総悟が走ってきた。
「名前ー!」
『ん?』
「今日、一緒に帰りやしょ」
『いいけど‥いつも一緒に帰ってるじゃん』
「‥‥あ、そっか」
なんか変だなぁ、総悟。
いつも変わってるけど、今日は
『・・・・・・』
「・・・・・・」
いつもはたわいのない会話が出てくるのに今日は無言‥総悟からは何一つ話してくれなくて、私が話しかけたって長続きしない会話だった。
「あのさ‥」
総悟が自らしゃべったのはこれが今日初だった。
『ん、何?』
「えっと‥バレンタインのやつ、」
『あぁ』
て言うか、総悟覚えててくれたんだ!もうすぐ1ヶ月すぎるけど。それでも嬉しくて、頬が熱くなっていく。
「もうすぎちゃいやしたけど‥お返し、何がいいですかィ?」
『え‥んと、どうしよう』
迷うじゃないか、いきなりだし‥やっぱり物とかお菓子とかお金かかっちゃうからなやはり迷惑かなぁ。
『‥‥!』
「‥‥?」
総悟とは私が総悟の頬にキスしただけで、はうぅ‥!思い出してしまったあアァァ!!絶対真っ赤だよ、今。じゃあ、唇にキスとか?ウオォォォォォォ!!熱い、全身が熱いイィィ!!!
『じゃ、じゃあ!キッキッキスがいいです!!』
「キ、キスですかィ!?」
総悟も真っ赤だし。可愛いな、
『‥‥ダメかなぁ?』
「いや、嬉しーでさ!(なんだ此奴のダメかなぁ?とか可愛いすぎまさァ!!)」
「‥じゃあ、目閉じなせェ」
『‥‥ん』
私の頭の中は今にも爆発しそうだった。胸の鼓動がうるさすぎて聞こえてきそうだった。総悟の前髪と私の前髪が触れ合って、次に肌が触れ合って、そして唇がチュッとリップ音をたてて触れた。そのまま20秒ぐらい停止して、唇同士が離れると総悟がギュッと力強く抱きしめてくれた。総悟の耳は真っ赤で体も温かくて私も抱きしめ返した。すると、総悟の鼓動がドキンていっているのが聞こえて、きっと私のも聞こえているんだろ…―と思ったのだ。私達は桜の木の下でしばらく抱き合っていた。
桜色のホワイトデー2011/04/08