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毎年貰っている幼なじみの名前からのチョコが今年はまだない。
待ち続けてついに放課後、
いつもどーり、名前と並んで帰る。
『バレンタインデー・キッス!バレンタインデー・キッス!』
おにゃ●こらしき歌を歌う名前。
『あたし、やっぱあげるより貰う派だわ』
「‥‥‥‥ふーん」
名前の手にはたくさんのチョコ。
貰う派って‥、やっぱ今年はチョコないんですかィ。
『んでさ、これ』
と小さな包みを俺に渡してくる名前。
これは、もしや、チョコ !
「ありがとでさァ」
中を開けるとぐちゃぐちゃ
星なのか丸なのか形すら分からないチョコがあった。
『朝、途中で落としちゃってさ。修正無理だった』
「無理に決まってんだろィ」
なるほど、そゆう理由だったのか。
なんか心配して損した
『割れ』
?
今なんて?
「え?」
『割って、そのチョコおもっきし。』
「え、あ‥じゃあ」
なんで割るのか全く分かんないけどさ、とにかくグーで割った。
辺りにチョコの欠片が飛び散る。
中に白い紙が入ってて、文字が鉛筆でうすーく書かれてあった。
なんだろ?
なんて読むんだろ?
薄くて‥読みにくい。
「‥‥‥‥‥‥!」
好 き
そんだけ。紙にはその一言だけ書いていた
ちょ、これって名前の気持ち?
なんか嬉しい。
俺もって言いたい
俺 も 好 き な ん で ィ
あわてて、名前の方を振り返る。
顔を真っ赤に染めた名前が俺の方に歩んできて
『バレンタインデー・キッス!』
その瞬間、俺の頬に名前がキスをする。
ドクンッて胸が高鳴って、一気に全身熱くなる。
『ほんとは、ハートだったんだけど!落としてぐちゃぐちゃになったから。これが本当の気持ち』
「名前、だーいすきでさァ‥!」
最高のバレンタインデーになりまさァ。
バレンタインデー・キッス!