総悟くんは執事 | ナノ






何時間眠っていたのだろうか

私はやっと目が覚めた


「蓮!大丈夫、ですかィ?」

『あ、うん……う゛』


頭痛が私を襲う





――…トサッ


総悟に抱きとめられる

「おっと、蓮まだ寝てた方がいいんじゃないんですかィ?」

『たぶん寝すぎたんだと思う…でも、もう少しこのまま…』


私は総悟の胸ぐらをギュッと掴んだ。


なぜか総悟の胸は安心する。お父さんとお母さんが死んだときもこの温かさに救われたと思う


性格は大の意地悪でもきっと中身は温かいやつだと私は信じている



総悟、ありがとうね




「ったく、あいつ絞め殺したいでさ」


『え?!』


いきなり絞め殺したいとかいうから驚いてしまった



「蓮は嫌じゃないんですかィ?」

『な、なにが…?』


しまったぁああ!総悟の話全く聞いてなかったアァッ


「野郎とのキ、キスでさァ!!」


顔を真っ赤に染めながら言い放つ総悟



なんだか可愛い

『そりゃあ本当に好きな人じゃないし…』

「だろィ!なのにディ、ディープとか死ね神威」


うわ、やば。


思いだしちゃった


顔が熱くなっていく




「って、蓮!何赤くしてるんですかィ!?」


頭をくしゃくしゃとされる



『わ、辞めてよ!…思い出しちゃったんだもん』





総悟は今度は自分自身の髪の毛をぐしゃっとた



「もっと消毒しねーといけやせん」

『は?』


もっとってなに?


「いやあ、蓮が寝てる間にいろいろ消毒してみたんですけどねェ…足りねーや」



よく見ると総悟は片手にエタノールの小瓶を持っていた



『え、待って。私はエタノールを口に塗られたってこと?』

「そうでさァ!たっぷりと」

『ギャアァァアアッ!!』




ペロリと舐めると苦い味が口に広がる




『総悟オォッ!苦い苦いよぉお』

「あーわかりやした。じっとしなせェ」


濡らしたハンカチを持ってきた



『え、なに…するの?』


どうしようか、神威さんにされたのがトラウマになっているのかもしれない


「何って拭くんでさァ」

『あ、うん…』


なんだ。そういうことか…

今度は全身が熱くなる。


もうやだ、何意識してんのさ…蓮!相手は総悟なんだから!!



「蓮…ちょっと目閉じてくれやすか?」


私は頷いて目をつむる














――…チュッ




唇が重なる


甘いリップ音



『え、総悟なんで…』


不思議だ。嫌じゃない。




「最高の消毒でさァ。除菌完了」



この状況ど、どうすればいいんですかアァアァッ?!?!




[prev|next]

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -