総悟くんは執事 | ナノ




ぴよぴよ。私のお気に入りの目覚まし時計のぴよちゃんが私の朝を知らせてくれる。

『・・・んぅ』


布団からひょっこり顔を出すといつもとは見慣れない顔があった。


「おはよう」


長くて三つ編みで白い・・


『え!?神威さん?!』


なんで居るんだろ―…一気に目が覚めてしまった。


『あの…、総悟は?』

「あぁ、神楽と遊びに行ったよ」


遊びに?執事って遊びに行っていいんだっけ?まぁ…とにかく


『すみません。取りあえず、退きませんか?』


さっきから神威さんが私の上に乗っかってるんだけど、重いったらありゃしない。


「えーいいでしょ?ね」

『いやいや、どいて下さい』


私は神威さんを突き飛ばした。


すると、さっきよりニコニコしながらこちらに近づいてくる。



『(え…なに…怖いっ!)』



「へー蓮ちゃんって結構やるんだね。強い子産みそうだ」


『…ははっ、何言ってるんです…か?』


「何って、俺は本気だよ?」
神威さん、どうしちゃったのー?!なんか…凄く不気味…


また私の上に乗って降り出しに戻る。



『あのっ!どいてくださいってば!!』

「どうしても俺にどいて欲しいんだね」


そりゃあ、そうでしょ!早くベッドからも移動したいし…



「…まぁ、強気の子も嫌いじゃないけどネ」



そう言うと、どんどん神威さんの顔が近づいてくる。


え、待って!なんで…!?なんでキスなんか…私、まだ…


『(こんな時って、どうして声がでないの?!)』


神威さんは無表情で私に迫る。


やだ、この人…本当にする気だ…!!
いやいやいや!!!


その時、総悟の顔が浮かび上がった。


『(なんで?なんで総悟が浮かんでるの?わかんない…神威さんだって…意味が分からないよぉ)』







でも、もう遅かった。
私のファーストキスは奪われた。


唇が奪われたと思うと、神威さんの手が私の頭をグイッと寄せてくる。


胸板を叩いても離してくれない。


最後には舌まで入ってくる。なんとか侵入を押さえようとしてもこじ開けられる。



『……んっ』



そろそろ私も酸欠。苦しい。



すると、廊下から神楽ちゃんと総悟の声が聞こえてくる。


『(やだ!誤解されたくない…!!こんなの見せたくないよ…)』






―…ガチャリッ




「なっ、何やってるアルかアァァッ!!!バカ兄貴イィィッ」


「ちぇ、邪魔が入っちった」



「蓮!!大丈夫ですかィ?貴様テメェ…」


あはは…やだな私、キスまで奪われて、それをみんなに見られて酸欠でなんだか意識が…せっかく総悟が着てくれたのに…



その瞬間。体がふわっと浮き上がる感覚を覚えて私の意識はなくなった。





[prev|next]

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -