きらきらきら。
まるで漫画の中のように、煌めく星の効果が見える気がした。



きら☆きら




きつい練習の後、昼食を平らげてから訪れたテラスで、眼下に目立つ三人組を見つけた。立海、氷帝、四天宝寺という強豪校の部長を、合宿施設のテニスコート側にあるテラスから見下ろす形になる。何かと目立つ跡部サンと白石サンの間に、うちの部長が加わっているというのが何か変な感じだ。

「切原君、どうしたのですか」

あまり外にいると体を冷やしますよ、と言いながら隣に来た柳生先輩が、おや、と小さく呟いた。

「珍しい組み合わせじゃん」

これまた隣にやってきた丸井先輩も、俺の視線の先に気付いて口を開く。
白石サンの言葉に、幸村部長が笑ったのが見えた。うん、やっぱりきらきらしてる。

「さっすが幸村くんって感じだよな。跡部と白石に挟まれても、見劣りしねーもん」

唐突にそう言った丸井先輩に、眼鏡を押し上げてから柳生先輩が同意を示す。

「幸村君はテニスの実力もさることながら、とても整った顔立ちですからね。他の部長にも負けませんよ」

「っていうか、幸村くんだけ特別輝いて見えるし」

「今日も、幸村君は麗しいですね」

俺を挟んで交わされる会話に、

「先輩たちって、ほんとに部長のこと好きっすよね」

と口にしていた。
もちろん、俺も含めて立海大附属中テニス部、特にレギュラー陣は幸村部長のこと大好きに違いないけど、この二人は好きのベクトルが違う方向を向いちゃってる気がする。もはや崇拝に近いと思う。神の子が、神様か仏様に見えてるに違いない。

「もちろんですよ。幸村君を嫌いな人なんていません」

「あったり前だろぃ!お前は幸村くん好きじゃねーのかよ」

困った子ですね、みたいな顔で俺を見てくる柳生先輩に、妙な勘違いを始める丸井先輩。マジでこの二人、部長のことになると非常に絡みづらい。

「あー、もう、大好きっすよ!!」

そう言った声は思ったよりも大きくて、下にいる部長たちのとこまで聞こえてしまったみたいだった。
テラスにいる俺たちに気付いて、幸村部長がこっちを見上げて手を振る。にっこりと微笑った顔は、両隣で手を振り返す先輩たちが言ってたように綺麗で、きらきらきら、と揺れる手の動きに合わせて光が舞った気がした。






2012.06.17.




「#ファンタジー」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -