※多義視点。年齢操作
青砥が日本にいる


黒くて丈の短いスカートの裾からは幾重にも重なった純白のフリルレースが覗いていて、その下からすらりと伸びた足はレースにも負けず劣らず白かった。



淫らなフリルで訴えかけて




青砥に、遊びに来ないかと誘われていたのだった。委員会の仕事があるから少し遅くなるけどそれでもいいならと返事をして、少しでも青砥を待たせまいと急いで仕事を終わらせて青砥が住むマンションに辿り着いたのはつい先ほどのことである。
ピンポーンと高い音を響かせるチャイムに応答はなく、おかしいなと首を傾げながらドアノブに手をかけた。もしかしたら倒れているのじゃないか、と心配しながら青砥家に足を踏み入れた僕が見たのは、リビングの毛足の長いラグの上に座る友人だったのだけど。

「え、と、青砥……?」

普段から青い色を好む青砥に、真っ黒の服は新鮮だなぁ、とそんな現実逃避も長くは続かなかった。ただの黒い服なら良かったのだが、所謂ロリータファッションに分類されるそれはどこからどう見ても女物である。
友人の隠れた趣味を垣間見てしまったかと慌てる僕の名を、形容しがたい綺麗な碧色の瞳で見上げてきた青砥が呼ぶ。

「タギー」

よくよく見れば青砥の両手は赤と黒のストライプが入ったリボンが巻かれていて、ご丁寧に手首のあたりで大きく蝶結びされていた。プレデターのユニフォームの色だな、と考えながらも、一人で結べるはずもないそれに溜息をついてほどいてやろうと手を伸ばす。膝を付いた拍子に、今まで派手な蝶結びばかりに捕らわれていた視線がずれて、短い丈のスカートから伸びた白い足が目に入って来た。

「竜持と凰壮に手伝ってもらった」

「……は?」

何を言っているのかと思いつつも、青砥の足から目が離せない。黒い生地に細かな刺繍が施されたスカートは短く、その裾からは真っ白なフリルレースがふわふわと重なって見えている。伸ばされた足は靴下も履いておらず、桜色に色づいた爪を持つ足の指がサッカーボールを操るときのように開いて閉じるのに、何故かごくりと喉が鳴る。
未だに両手を縛られたままの青砥が試合中のようににやりと笑って、伸ばしていた片膝をゆっくりと立てた。短いスカートがさらにずれて、日に当たらない白くて滑らかな太腿の裏が露わになる。

「ねぇ、タギー」

甘ったるく僕の名前を呼ぶにも関わらず、青砥の碧眼は力強くこちらを見つめていた。小さな舌で薄い唇を舐めた後、青砥は挑戦的に僕に向かってリボンで結ばれた両手を伸ばす。

「いつまで友達でいるつもり?」

形の良い爪を持つ足先の、器用に動く足首の、すらりとまっすぐ伸びた足の付け根は穢れの無い純白のフリルで覆われていて、友人の立場じゃ到底手を出せそうになかった。



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お題お借りしました:藍日


2012.10.07.
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