10000 | ナノ
ドS姉×甘えた臨也


*折原姉が甘えまくる臨也を虐めまくるやらしー話(まるもん様)
*折角なので、5000Hit内『下剋上日和』の後日談
*前半臨也さんがただのお子様
*ええ、相変わらずのぬるいえろでございます















頭の中で誰かがシンバルをめちゃくちゃに鳴らしているような。
若しくは空き缶を幾つも繋げて引き摺り回しているかのような。
そんな、ガンガンと響く頭の中に涙目になりながら喉を始めとする身体の節々の痛みに耐えて大人しくベッドで丸くなっていた。
身体を動かすのすら億劫で、食欲は無いのにお腹が空いて気持ち悪い。水分を取りたくても手元には無い。あの秘書はいつまでも降りて来ない俺に痺れを切らして部屋に乗り込み、今にも死にそうに助けを求める俺の姿を見た途端に『貴方とウイルスを共有するなんて死んでも御免だわ』と辛辣に吐き捨ててさっさと踵を返して帰っていった。

べ、別に、泣いてなんかないんだからね…!

熱で涙腺が緩んでるだけの生理的な涙なんだから。

「っう、ぐ、…げほっ!げほ、…っはぁ」

ノド、痛い。頭、痛い。身体、痛い。やだ、もう。
たすけて、なんて柄にも無い事考えてしまう位には、熱が高い。
ぐらぐらぐらぐら、視界が揺れて景色がブレる。

…逢いたいなぁ、お姉ちゃん。

風邪の時は人恋しい。人肌に触れたい。触れられたい。
好きな人なら、なおさら。

…ケータイ、出てくれるかな。

ごそ、と重たい腕を枕元に伸ばして真新しい携帯を一つ手に取った。
登録番号が一つしか入ってない、黒の二つ折り。ショートカットにも登録してある番号を表示させる。
通話ボタンを押して数秒、1回目のコール音が無機質に鼓膜を震わせた。そのまま2回、3回とコールは重なり、10回目を迎えようという所で切った。
お姉ちゃんの携帯に掛けているのに、お姉ちゃん以外の人の声なんて聞きたくなかった。

やっぱり、怒ってるのかな。この間色々しちゃったから。

ぐす、と鼻をすすって枕に顔を埋める。
と、部屋のドアが開く音がした。
波江さんが戻ってきたのかな、なんて有り得ない事を考えながら視線を向けると、一番逢いたかった人がそこにいた。

「あら、ちゃんと寝てなさいな。治るモノも治らないわよ」

病み上がりだからなのか、少し大きめのカーディガンを羽織った肩にエコバッグを掛けたなまえがにこ、と薄く微笑みながら俺の顔を覗き込んでくる。
掠れた声しか出ない喉で、なんでここに、と訊ねるとバッグから買って来てくれたらしい物を取り出しながら答えてくれた。

「さっき波江から臨也が熱出して死にかけてるから、一応連絡だけはしておくわ、って電話がかかってきてね。まああの子が君の看病なんてする筈無いでしょうから、こうやって私が来たの」
「で、んわ」
「電話?あぁ、さっきの着信はもうマンションの前にいたから、起きてるなら直接話聞いた方が良いかと思って」

サイドテーブルにスポーツドリンクやゼリー飲料等、風邪の時に必要なものが並べられ、同時に軽い問診が行われた。

「熱は計ったの?」
「…ぅ、ん」
「何度だった?」
「くど、にぶ」
「あー、結構高いのねぇ。ごはんは食べられそう?」
「の、ど…いたぃ」
「そう、じゃあこれなら大丈夫かしら」

おでこに冷却シートが貼られ、冷たくて気持ち良い。キリ、とキャップが開けられたゼリー飲料が口元に差し出され反射的に咥える。
ゆっくり少しずつ吸い上げるとゼリーのひんやりした甘さが口内に広がり、少し喉の痛みは感じるもののさほど抵抗なく嚥下していく。

「どう、おいしい?」

こく、と首だけで応えると、くしゃりと頭を撫でられる。
俺がゼリーを飲んでいる間、優しく髪を梳く指が心地良くて思わずうっとりと目を細めるとなまえはくすくすと楽しそうに笑う。
たっぷりと時間を掛けて飲み干したパックをゴミ箱に捨てると、ミネラルウォーターと一緒に粉薬が手渡された。

「じゃあ、それ飲んで大人しく寝てなさい。私に出来そうな事は片付けといてあげるから」

そう言って、出て行ってしまったなまえの背中を見つめながら、俺はぼんやりと手元の薬のパッケージを見る。
…俺、粉薬キライなんだけどなぁ。
苦いし、喉に張り付いてなんか気持ち悪いし。ずっと味が残るし。
やだなぁ、飲みたくないんだけど。

…飲まないでもいいかな。

まあ熱で辛いのは確かだけど、その分なまえに甘えられるのならお釣りがくる、かも。
あーでも怒られるかなぁ。
そんな事を考えながら薬を後回しにしていると、瞼が重くなってきた。
いいや、一度寝てしまおう。
起きたら楽になってるかもしれないし。

あ、なまえに帰らないで、って言うの忘れちゃったなぁ…。




 ***




椅子を引いて、一旦背伸びをする。
ポキポキと関節が鳴って、ちらりと時計を見やると書類整理を始めてから小一時間が経過していた。
わざわざ波江に電話して作業を確認し、掛かってきた電話や送られてきたメールに臨也さながらの返事を心がけて調整を施して、必要そうな資料までまとめてあげて。
丁度一段落したのを良い事に、臨也の様子を見に部屋に向かう。
ベッドの上の臨也は大人しく眠っているようだけど、さっきより赤い顔をして、呼吸も辛そう。
サイドテーブルには、渡したまま開封した痕跡の無い市販のお水とよく効くと謳われていたパッケージの粉薬が一包み。

…全くもう、ちゃんと飲みなさいって言ったのに。

気配に気付いたのか薄らと目を開いた臨也に、少し低い声で問い質すともじもじとバツが悪そうに視線を背けた。
ぼそぼそと言い訳を言っているらしいのだがただでさえ出ていない声を布団に籠らせて喋るものだから不明瞭で聞き取れない。

「なぁに、聞こえない」
「…って、にがぃ、もん」

弟とはいえ、ハタチ超えた男のセリフとは思えないわね。
仕方のない子。

「しょーがないわねぇ」

思った事をわざわざ口に出して伝えると、びくりと身体を跳ねさせこちらを窺う様に布団の隙間から見上げてくる。
ばさりと布団を捲り臨也を俯せにひっくり返す。
はぇ?とかなんとか間抜けな声を上げてされるがままな事を良い事に、ずるりと臨也が寝間着にしているハーフパンツを下着ごとずり下げた。

「えっ?えっ!?」
「大人しくしてなさい、薬が飲めないイザヤ君の為にこの私がわざわざ投薬してあげようっていうんだから」
「だ、だって…!」

頭の良い臨也だから分かったんでしょうけど、分かっただけで止める術はない筈。

「っひ、あ!」

ローションを馴染ませた指で軽く慣らしてから摘んだ坐薬をゆっくりと挿入していく。
しばらくそのままにして坐薬が入りきったのを確認してから指を引き抜いた。
臨也がほっとしたように息を吐く。
臨也から見えないのを良い事に、吊り上がる口端を隠す事もせず左手で引き寄せたそれを宛がった。

「や、!?」
「ちゃんと力抜いてなさい」
「やぁっ、あ!ひ、」

ずぷん、と勢いをつけて深くまで押し込むと衝撃で臨也の背が反った。
カチカチとメモリを合わせるとぶぶぶと小刻みに震え始める。弱や入れてるだけは物足りないだろうし、強だと熱が出た身体には辛いだろうから、間をとって中。
抜いちゃダメよ?と釘を刺してからバイブが抜けない様に固定して、苦しくない様に身体の下にクッションを丸めて置いてあげてから毛布と布団を掛けてあげた。

「ひぁ!あ!あぁ!やら、止めてぇ!」
「薬が効いてくれば熱は下がると思うから、それまで大人しく寝てるのよ?」
「っあ、ぁ!ひん、ひっ、うあ、!」
「熱が下がった頃に、食べられそうなら雑炊か何か作ってあげるからね」
「やっ…!まって、ぇ!いかな、あぅ!」

縋るように伸ばされた腕をやんわりと躱して布団に戻し、ぬるくなり始めているだろう冷却シートに唇を寄せて軽く音を立てて離す。
離れ際にじわりと浮かんでいる涙を払ってあげた。
待って、と泣き声に近くなっている声を背に聞きながらドアを開け部屋を出る。
閉め掛けたドアの隙間からひらりと手を振る。

「それじゃあイザヤ、」













(目には目を、歯には歯を)
(風邪には風邪を、看病には看病を)

***********▽***********
下剋上の時の仕返しだけど容赦無い姉ちゃん。
えろがちょっと残念感たっぷりで非常に残念な仕上がりですorz
まるもん様素敵なリクエストありがとうございました。
技量不足で申し訳ないです。




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