10000 | ナノ
織×媚薬臨也


*臨也さん(in媚薬)をお姉ちゃんが虐めつつ宥める、そんなR指定な話(くろはる様)
*うっすら四木臨有
*喘ぎ声ってなんだっけ、な感じに迷走してます













珍しく家に一人でいた夜。
九瑠璃と舞流も泊まりにきていないし、臨也は人と会う約束があると言っていたので今日は来ない。
久々の一人で過ごす夜に、最近忙しかったせいで買ったまま積んである本を全部読んでしまおうかとうきうきしながらソファにお気に入りのクッションと紅茶にクッキーを少し用意して、本棚から抜き出した数冊を手にソファに戻る。
さあ読もう、と表紙に手を掛けた所で、訪問者を告げる無粋なチャイムが鳴った。

何よ、もう。

折角これからイイ所だったのに、と若干イラつきながらインターホンのモニターを覗き込むと見慣れた白スーツの男が二人の部下を伴って画面に映り込んでいた。

「本日の営業は終了しました。明朝の訪問を心よりお待ちしていません」
『ふざけてねぇでさっさと開けろ』
「やーよ、今日は本読むって決めちゃったもの。四木と遊んでる暇なんてないの」
『俺だってお前に付き合ってやる程暇じゃねぇんだ。こっちはわざわざ時間割いて荷物届けに来てんだぜ』
「荷物?」
『分かったら開けろ』

普段の丁寧口調はどこへやら、初めから語気を荒げている四木に、なんでこの人機嫌悪いのかしら、と思いつつも仕方なく鍵を開けてやった。
数分の後、玄関前に着いた事を知らされドアを開けるのと同時に黒い塊を投げ付けられた。

「っ!?」

不意打ちもあって支えきれずにどさりと玄関タイルに尻もちをつく。勢いは殺したものの若干屈辱を感じつつ見上げると、投げ付けた部下の後ろから煙草をふかしながら憮然とした顔で偉そうに立っている四木が冷ややかな視線を私に、正確には私の上で蹲っている黒い塊、基、臨也に投げかけていた。

「……何かあったの?」

顔を俯けているせいで表情はよく見えないが、呼吸は荒く、自分を守る様に丸く抱いた身体は小刻みに震えている。顔を上げさせると、上気して赤くなった頬に伝う涙がいくつも筋を作っていて、私と目が合った途端苦しい程に抱き着かれ甘える様に額を擦りつける傍ら小さくしゃくり上げる情けない声が聞こえた。
人前だというのに小さな子供の様にぐずる臨也の背を反射的に撫でて宥めながら四木に尋ねると、深く吸い込んだ紫煙を吐き出し口端を吊り上げて嘲る様な、呆れた様な、なんとも言い難い複雑な笑みを浮かべた。

「ええ、そこの糞餓鬼がちょっとしたおいたをしましてね。少しキツめの灸を据えたんですよ」
「マワしたの?」
「いいえ?服は一切脱がせてませんよ」

わざとらしく丁寧語に直してされた説明に、溜息を吐く。
ふぅん。馬鹿ねぇ、臨也。悪戯はバレ無い様にやりなさい、っていつも言ってるのに。

「まぁ、今回は大事にならなかったからこの程度で済ませたが、次はねぇぞ」

そう言い捨てて踵を返す四木に慌てて声を掛けるも、無視された。
ちょっと、私にこんなふにゃふにゃな臨也運べっていうの?
無理に決まってるじゃない。

「臨也、いざや」
「ふぇっ…、おねー…、ちゃ」

ぺちぺち、と軽く頬を叩いて覚醒を促すと、途切れ途切れに私を呼んでぐずる。

「あ、つぃ…よぉ…っ、も、やだぁ…っ、たすけてぇ…」
「分かったから、ベッド行きましょ?玄関じゃ身体痛くなっちゃうもの」
「ひっ、く…、も、やぁー…」
「ほら、私じゃ運んであげられないから、ちゃんと自分で立って」

涙でぐちゃぐちゃになっている顔を指で拭いながら宥めても、首を横に振るだけでぺたりと床に着けた脚は全く力が入る様子が無い。
弛緩剤の類でも使われたのかしら。
涙を拭う為に滑らせた指先にすら、びくびくと肩を竦めて濡れた息を吐き出し耐える様に目を瞑る。

「臨也ってば」

抱き着いて離れない腕を取って持ち上げても、ただでさえ力が抜けている身体は私ひとりじゃビクともしない。
可愛い弟が面白…、辛そうにしているのだから遊び、じゃなくて助けてあげたいのはやまやまだけど玄関で事に及ぶ訳にもいかないし。
さぁて、どうしたもんかしら。

「臨也、私としたくないの?」

問えば、首を必死に横に振る癖に、その足は動かない。代わりに、ほとんど握力の無い手で私に縋ってくる。
どうやら腕の方がまだ力が入っているらしいから、これならいけそうかしら。

「じゃあ、先に行ってベッドで待ってるから」

ゆっくりでいいからいらっしゃい、と言い残して一足先に準備の為寝室に向かう為立ち上がる。

「っえ、や…!!まって、おねえちゃ、まってぇ…!」

ベッドで待ってるから、ともう一度繰り返して、臨也の頭を撫でて踵を返す。
後ろから聞こえる臨也の泣き声混じりの懇願に、緩む頬を抑える気なんてさらさらなかった。





 ***





あれから、私の体感時間では20分と少し。臨也にとっては、たっぷり数十分は経った頃。
ひんひん泣きながら、ようやく臨也が部屋の入口に辿り着いた。ベッドに腰掛ける私との距離は、3メートル半。歩けば、十歩にも満たない僅かな距離。
のろのろとかたつむりの方が速いんじゃないかと思えるスピードで、不格好な崩れた四つん這いで近付いてくる。
かわいい。

「っひ、う。なまえ、おねぇ、ちゃあん…っ、ひん、」
「すごいね臨也。頑張って」
「ふゃ、あー…、んぅっ」

はっはっ、と浅く速い呼吸を繰り返しながら、服が擦れるだけでも感じる程過敏にさせられた身体を引き摺って、更に十数分後。
私の足元まで辿り着いて啜り泣きに近い声で喘ぐ臨也を何とかベッド上まで引っ張り上げ、ベッドに倒す。
良く出来ました、と伝う涙を舐め取り啄む様にキスを落とすとそれだけでひくりと身体を跳ねさせ、とろんと蕩けた瞳で物足りないと言わんばかりに見つめてきた。
分かってるから、大人しくしてなさいな。
臨也のボトムを締め付けるベルトを引き抜きベッド下に放り投げ、ジジジ、ととっても窮屈そうなファスナーを引き下ろすと普段よりも熱い臨也自身が下着を持ち上げていて、ぐっしょりと湿っていた。
ああ、なるほど。
脱がせはしてないけどイかせはしたのね、四木の奴。

「何回イったのか、お姉ちゃんにおしえて?」
「っ、や…、」
「助けて欲しいでしょう?」

にこりと微笑みながら問いかければ、恥ずかしそうに視線を彷徨わせ、蚊の鳴く様な声でさん、と呟いた。

「本当は?」
「……ご、」

かぁ、と頬を赤く染め言い直す。
良く出来ましたと囁いてしとどに濡れた臨也自身を軽く上下に擦る。ただそれだけで甲高い声を上げてびくびくと腰を跳ねさせた。

「っあ!ぁ、ひあぁ!」

かなり薄くなっている精を少量吐き出し、ベッドに沈み込む臨也の頬を汚れていない方の手でゆるゆると撫でながら後孔に指を這わせる。
爪先で擽ると、待ってましたと言わんばかりにひくひくと孔を蠢かせナカに指を誘い込もうとしているようだった。
試しに二本を差し込んでみると、特に抵抗も無く飲み込まれていく。
臨也の顔を窺っても痛みは感じていないようで、ぁ、ぁ、と途切れ途切れに溢していた。
前立腺を掠めながら内壁を擦り、時折指を広げてはゆっくりと本来の用途とは違う行為を強いられる粘膜を慣らしてやる。そういえば最近は臨也のココを使っていなかったから丁寧にしてあげなければ、と今の臨也には有難迷惑でしかないだろう親切心から丹念に解して焦らす。
興奮剤やら筋弛緩剤やらが混ぜてあるだろう薬でほぼ出来上がっている臨也にはそもそも必要の無い前戯だから、すぐに物足りなさにヒクつくナカを満たして貰えると思っていた臨也は早々に泣き声を上げた。

「んあぁっ、ぅあ…、や、らぁ…ゆびじゃ、やぁ…!」
「でもね臨也、元々こーゆーことに使うトコロじゃないからきちんと慣らしてあげないと痛くなっちゃうの。…痛いのキライでしょう?」
「ひ、ぁ、はぅ…っ、んくぅっ、や、痛くていい、からぁ…、ぁひ!?」

痛くても良いと懇願する臨也の泣き所を、ぐるりと擦り上げる。
悲鳴染みた嬌声を上げてぼろりと溜まっていた涙を溢した。
痛くても良いだなんて、そんなのダメよ。決まってるじゃない。

「…だぁめ、可愛いイザヤに痛みなんて必要無いの。気持ち良い事だけ感じてなさい?」

そんな、心にも無い事。
と言ってしまえば語弊があるけれど。
可愛いイザヤに私からあげるものなんて愛しかないのだから、気持ち良いのも勿論愛だし、痛いのも苦しいのも当然愛。そこに差や違いなんて存在しない。
けれど、今回は敢えて。

「ほら、もっととろとろになって、ね?可愛い私のイザヤ」
「っや!あぁっ、ふぁぁああぁっ」

指を三本に増やしてばらばらに動かすと隙間から空気と混ざった水音が思ったより大きく響く。ひっきりなしに上がる臨也の啜り泣く声と零れる涙を掬って口に押し込む。
余裕なんてない癖に、それでも私の指に歯を立てない様に涙目になりながら舌を這わせて強請るのが酷く可愛らしい。
ぐりぐりと前立腺を弄ると流石に我慢出来なかった、というよりは思わずと言った風に噛みつかれ、くぐもった声と一緒にぱたぱたと白濁が漏れる。
力の入っていない臨也だから、少し顔を顰める程度だったけれど。
本当に申し訳なさそうに、涙目で謝る臨也を見ているとなんというか、悪戯心が。ああ。

「…悪い子ねぇ、イザヤ?君の為に頑張ってるお姉ちゃんの指に歯を立てるなんて」
「ぃ、あ…っ、ごめ、なさ…」
「ちゃんと舐めて?」

にこ、と微笑んで言えば、ちゅ、とぎこちなく感じるものの気を使っているのが分かる舌遣いで吸い付いて、労わる様に指に舌を絡めてくる。
悪戯に擽れば、鼻から抜ける声で鳴いて閉じていた目を薄く開く。

「ふ、ぁ。あぅ、ふぅ、ぅ」
「ふふ、いーこ」

ご褒美、欲しい?と訊ねれば、即座にがくがくと首を縦に振った。
あは、必死ねぇ、臨也。
近くに用意しておいた『臨也専用』と、少々丸っこい臨也の手書き文字で書かれたおもちゃ箱からオトナの玩具を幾つか並べて臨也に見せる。

「どれがいい?」

今更だろうに口にするのは恥ずかしいのか、おずおずと指差した臨也ご指名のバイブを手元に残し、残念ながら選ばれなかった可愛らしいローターやパールをしまって箱を隅に寄せる。
潤滑剤でぬるっぬるにした先端を宛がえば、奥へ飲み込もうといやらしくバイブの先端を食んでいく。

「っひう、あ、あ――、んぁ」

ずずっ、と少し力を加えただけでバイブは簡単に進んでいく。根元までソレが収まると、ぶるりと震えた臨也のお腹に精液が散った。
いい感じに限界まで高まっている臨也に笑みを零し、バイブの持ち手を掴み遠慮も手加減も一切なくピストンさせると、先の射精で理性を手放した臨也は動きに合わせて高い喘ぎを漏らす。

「あう!っあ、ひあ!お、ねえちゃ、あん!」
「なぁに?」
「やあぁ、あっ、ああっ、ぅあ!きもち、いよぉ!」

潤んだ目、紅潮した頬、回らない呂律。
バイブが蕩けたナカを掻き混ぜる水音にも聴覚を犯され興奮しているのか、はひはひと浅い呼吸で喘ぎながら無意識なのか縋る様にくしゃくしゃのシーツを握る。
カチチッ、と中まで上げた振動で前立腺を直接刺激すると、背中が浮いて弓なりにしなった。

「ひやぁぁあぁッ!!らめぇっ!そこ、そこへんなっちゃ、からぁ!」
「今更でしょう」
「やらああぁっ!」

もう吐き出すものもなくなったのか、臨也の自身は縛っている訳でもないのに勃ち上がったまま可哀想な程震えて小さな孔をぱくぱくと開閉するだけで、そこから快楽の証は出てこない。
けれど絶頂自体は感じている様でひっきりなしに身体を跳ねさせている臨也はひんひん泣きながら過ぎる快楽から逃げようと腰をずり上げる。それを逃がさず追いかけ、濡れそぼった陰茎を握る。

「ひう!!」

びくん!と大げさな反応をした臨也の右手を左手と絡め、催促する様に小さく開かれた唇に微笑んで自分のそれを重ねた。
唾液ごと絡んで一つになるようなキスをしながら、カリ、と右手の爪で先端を引っ掻き、左手の手をぎゅうっと握って舌を吸うと、くぐもった尾を引く長い声で鳴いてくったりとベッドに沈み込んだ。
離れ際に軽く下唇を食んで、飲み切れなかったらしく重力に従って口端から零れるどちらのものか分からなくなった唾液を舐め取る。
未だ蠢き続ける玩具の電源を落としてから引き抜くと小さく身じろぎした臨也の頭を撫で、玩具をベッドに放り、疲労困憊、眠りに落ちた臨也の泣き過ぎて赤くなった目元をなぞり唇を寄せる。
鎖骨と首筋にも同様に唇を寄せ、強めに吸い付いて赤い痕を残した。
しばらく無心で続け、色素の薄い肌に散らせた複数の痕に満足して後片付けの為ベッドを降りた。














(私だけの、)

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臨也さんの悪戯はご想像にお任せ☆←投げた
臨也さんが起きてる時より意識無い時の方がデレるお姉ちゃん。
くろはる様素敵なリクエストありがとうございました!




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