メモ | ナノ
*織と臨也と九瑠璃と舞流
「あ、イザ兄おかえりー!」
「…帰(おかえりなさい)」
「おかえり臨也」
「…ただいま、なにしてんの…?」
「織姉がコスプレ!」
「…学(来良の制服)」
「押入れ整理したら出て来たから着てみたの、どう?」
「いや、似合ってるよ。似合ってるけどさ、スカート短すぎない?」
「そーお?」
「そんな事ないよ織姉!むしろもっと短くても良いと思うよ!」
「…勿…綺(せっかくだから)」
「まあ君達しかいないしねぇ」
「だからスカート短過ぎるってば」
***
お母さんのスカート丈を主張するお父さんが可愛かったので。
*いぬのはなし
彼女は二匹の犬を連れていた。
首輪をしている訳でもないのに、その犬達はぴったりと彼女の数歩後ろを歩いている。
白と黒の犬はいつも二匹一対で歩いているが、極稀に片方が欠けている所を見かける。
そういう時は、残った片方の犬が大抵彼女の前に立ちはだかり親の仇とでも言わんばかりに鋭い牙を剥いて低く唸っていた。
彼女は怯えるでも逃げるでもなく、ただじっとその様子を見下ろしているだけだ。
低く吠えた犬はそのまま彼女の喉元を狙って飛び掛かり、彼女は抵抗もせずその牙を受け入れ後ろに倒れ込む。
犬はまるで彼女を食らうかの様に牙を喰い込ませ続け、ぶつん、と何かが千切れる音がすると同時に彼女の上からどけた。
彼女の襟元を軽く銜え、助け起こす様に後ろに引くと彼女はゆっくりと身体を起こす。
その身体のどこにも赤い汚れは見当たらない。
甘える様に鳴いた犬はいつの間にか現れた片割れと共に彼女に懐き、彼女もまた慈しむ様に白と黒の毛を撫でつけていた。
しばらくそうしていた彼女が徐に立ち上がると、犬もまた彼女の後ろに付き添う様にして歩き出した。
彼女は二匹の犬を連れている。
***
わんこかわいいね。
*キスのはなし
「キスって気持ち悪い」
「どうして?」
「他人と接する粘膜が気色悪い」
「唇を合わせるだけならまだしも」
「舌を入れるなんて考えられない」
「どうして?」
「噛み千切られたらどうしよう」
「噛み千切られた自分の舌が、」
「相手の舌の上で転がされてるなんて、」
「考えただけでも気持ちが悪い」
「ふぅん」
「それがいいのに」
「「……悪趣味」」
***
すごいスリルー