小さい頃から
かわいい服を着た
かわいい女の子に憧れていた

ずっと、ずっと、
可愛くなりたくて
色々メイクしたり
髪を伸ばしたり
してみた

でも、顔は男っぽいし
背も高いほうだし

かわいい服をお店で
体にかざしてみたり
してみるけど
破滅的に似合わない

「あは、吐き気が、する……な」

対比しては似合わなさ過ぎる
大嫌いな自分に
自己嫌悪ばかりして

真っ黒くなって

「もう、いっそ、いなくなれば、、
こんなアタシなんか
いちゃだめだな……」

って欝期到来

「あー……いっそ、男になるか」
なんて言ってはダメすぎる
自分を嘲笑ってた

そんな折に、ふらりと入った
ハコで演奏していた
男装女子バンドを見て
これだってビビッときた

「男装……か」

男になりたいって思うように
なってたし、次の日には髪を
切りに行ってた

腰まであったけど
まあ、うんバッサリとね

喉も潰して低くした
ハスキーボイスってやつ、
に……なった

それからは元々歌が好きだったし
ギター覚えて……

ハコで見たバンドを真似て
同じように男装バンドを

ツテは…まあ、あったから
同じように男装趣味があった子
数人集めてバンドを始めた

一人称も俺に変えて
男装はじめて、

最初は親に何やってんの
って心配されたけど
放任主義だから
止められはしなかった

顔と声とギターテクとかで
だんだんファンがついてった

そして高校卒業後大学に進学して

男装にもバンド活動にも
完全に慣れてきた頃


「プロデビュー……?ですか!?」

『そうだ、君たちプロデビューしてみないか』


プロデビューの話が舞い込んできた
その後トントン拍子でプロデビュー

以外にもタイアップ曲やら
男装女子バンドというのがヒットして
だんだん忙しくなって

大学の学業+練習やレコーディング
イベント、ライブなどの
過密スケジュールをこなしてった

そして次のライブに
向けての練習中……

過労と貧血で倒れたらしく
俺はスタジオでギターを抱えたまま
意識を手放した。

元の世界で最後に見たのは
そこの天井だったかな

意識を手放したあとは
猫ちゃんがね迎えに来て

いまいちピンと来なかったんだけどさ
早くライブやんなきゃって、
戻りたくって、

あと白猫ちゃんが可愛くて
白側を選んだんだ


次に目をあけたら

こっちの世界に来てた。

あれからもう7年か……
こっちの生活にも慣れたもんだよなあ
まだ戦うのは慣れないけども

早く戻れたらいいな

戻りたい、スポットライトの
あの中へ、こんな自分なんかを
必要としてくれる

あのステージへ


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ゼフィランサスを抱いて
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ゼフィランサス
花言葉:期待

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