Story of Stars! | ナノ

幼なじみと僕




僕の知っている幼馴染み二組は、本当に正反対だと思う。一組は、ずっと一緒にいるくらい仲がよくて見ていて微笑ましいくらいだ。しかし、もう一組は――

「もっと、きちんと授業に参加しなさい!」
「授業に出てるんだからいいだろ」
「よくありません!」
「あーもううるせえな……」

僕の目の前でこんな言い争いをしている二人だ。授業に参加しろと言い聞かせているのが山ノ井千鈴。彼女は本当に真面目では生徒会副会長だ。そして彼女の話をうるさそうに聞いているのが篠原遼。彼は簡単に言ってしまえば、不良少年だ。二人が言い争いを始めたのは、遼が授業中に居眠りしていたのを千鈴ちゃんが注意したからだ。昼休みの間は、ずっと言い争っている。
僕は二人を止めずにそれを眺めていたのだけれど、そろそろ止めないと休み時間が終わってしまう。

「千鈴ちゃん、遼。そろそろストップ。次の授業始まるよ?」
「渉は口を出さないで……って、嘘!?」
「本当。ほら急いで急いで」
「うん!」
「あ、千鈴ちゃんは先に行ってて?僕、まだ弁当片付けてないから」
「わかった。先に行ってるね」
「うん、またあとで」

ゆっくりと弁当を片付けている僕と頭をがしがしと掻いている遼を残して、千鈴ちゃんは教室へと戻って行った。

「……遼」
「説教なら聞かねえぞ」
「あのねぇ、千鈴ちゃんに苦労かけちゃ駄目だって何回言えば」
「あいつが、自分で勝手に苦労してんだろ」
「遼、」
「あーもうどいつもこいつもうるせえな!ほら、授業始まるんだろ。行くぞ」
「え?」
「また説教くらうのは勘弁だ」
「……うん、行こっか」

何だかんだ言って、彼女の見えないところで折れるのは彼。いつものことに小さく笑みを浮かべながら、遼の腕を掴んで教室へと向かった。




(……離せよ鬱陶しい)
(ヤダ)
(逃げねえっての……)






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