姫に外の話しをし始めてから暫くたってから。ある町の話しを終えたときに、彼女がくすりと笑った。

「やはり、楽しいですね」
「……そうか?」
「ええ。知らないことを知るのは、楽しいです」
「なら、明日も来る?明日まではいる予定だし」
「そうね……いいかも。話すのも楽しいし」
「よろしいのですかっ?」
「どう、ユーキ?」

ソウとリアに声をかけられ、ユーキは少し考え、それからふと顔を上げて姫を見た。

「まあ、あんたが楽しいって言うなら」
「あ、ありがとうございます……っ」
「けど、明日も来るとなると今日と同じやり方ってわけにはいかないわよね」
「眠らすのはねー」

三人でどうするか考えていると、小さく、遠慮がちな声が聞こえてきた。

「あの、お部屋の前の見張りなら移動させること、できますよ?」
「……そんなことできるの?」
「はい。私、城内のお散歩だけ許されているのですけど、その時に」
「見張りは全員いなくなる、ってことかな」
「はい。彼らは私を見張っていますので」

にこりと笑ってそう言う彼女に、三人は複雑な表情を浮かべる。それぞれ感じたことがあったのだろう。

「私、お散歩に行ってきますね。その間にご自分たちのお部屋に戻ってください。明日もよろしくお願いしますね」

ペコリと頭をさげ、少女は見張りを連れて部屋を出ていったのだった。




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