城の中にある特別な部屋にいた少女に、城の外の話をしてくれと頼まれた彼らは、彼女に事情を聞くことにした。
彼女はこの城、この町の姫。
物心つく前に母親が亡くなり、それからは父親が城の外に連れ出してもらえず、この部屋に軟禁されている状態であるらしい。
「なるほど……つまり、外のことを知りたいんだな?」
ユーキが彼女の隣に座り、彼女に確かめるように聞けば、彼女はこくこくっと首を縦に振った。
「この町のことでも、他の町のことでもなんでもいいんですっ!お願いします……っ!」
彼女はペコリと頭を深く下げた。
ソウはにっこりと笑い、ユーキとリアを見た。
「別に、話しをするくらいいいんじゃない?」
「まあ、そうだな」
「そうね……頭まで下げられたら、断れないわよ」
「断る理由もないしね」
彼らのそんな言葉を聞いて、彼女はふわりと微笑んだ。
「ありがとうございますっ」
リアは近くにあった椅子に座り、ソウは近くにある壁にもたれ掛かる。それから三人は、お姫様に外の話しを始めたのだった。
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