三人は背後を気にしながら歩いていき、目的の場所である部屋が見える曲がり角で立ち止まり、壁からそっと顔を出す。

「どうだ?」

周りに気を回しているユーキは覗かず、ドアの様子を見ているソウとリアが様子を見ている。
ソウとリアはドアの方をじっと見たまま、小声でユーキに様子を報告する。


「見張りは二人、部屋の鍵はかかってないみたい」
「交代のときも多分、ここに人がいないってことはないよ」
「そうか……」
「どうする?眠らせることは可能よ」
「……それしかないな」
「だね。リア、頼める?」

こくりと頷いた後、リアは腰につけたポーチから粉薬を取り出し何かを呟いた。すると粉薬はふわりと見張りの方へ飛んでいき、しばらくしてから、見張りたちはぱたりと倒れてしまった。

「成功。いけるわよ」

すたすたとドアの前まで歩いて行ったソウとリアは、くるりとユーキの方を向く。

「ユーキ」
「……はいはい、面倒事は俺の仕事なのな」

そう言って普通より大きなドアを両手で押す。そうすればギイ、と音をたててドアは開いていく。

「!」

部屋の中には長い黒髪の、ドレスで着飾った少女がおり、不安そうにこちらを見つめていた。




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