あれから数分、町の人たちに出入り口のことを訊いて回った二人が得た情報は、町の出入り口はユーキたちが入ってきたところと、先ほど見たところの二ヶ所だけだということだ。

「やっぱり、二つだけみたいですね」
「どの人間に訊いても同じ答えだしな……」
「あの、出入り口の数を知ってどうするんですか?」
「いや、ちょっとな。……さて、そろそろ終わったかな」
「え?」
「ソウだよ」
「あ……」
「……そんな顔すんなってば」
「う、わっ」

視線を落とし眉を下げたアイリスの頭をユーキは少し乱暴に撫でる。
ぐちゃぐちゃになった髪を手櫛で直しながら、アイリスは不安気な表情でユーキを見る。

「ああやって怪我することなんかよくあることなんだから」
「でも……」
「俺だって、アイツら庇って怪我するし、アイツらも一緒だよ。誰だって油断しちまうことあるし、今回は魔物の数をはっきり把握してなかった俺たちが悪い」
「……」
「だから気にすんなよ。あんたは心配しすぎだ、不安なのはわかるけど」

ユーキはぽん、と軽く頭を叩き、ソウとリアがいるであろう医者の場所を歩いていた人に尋ねた後、すぐに歩き出した。そんな彼の背中を見ていたアイリスはしばらくその場に立ち尽くしていたが、はっと気がついて慌ててその後を追った。




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