「あ、あのっ!」

強い爆風とまだ鳴り響く地響きに負けないように声を張り上げるアイリスに、ユーキは立ち止まって彼女の方を見る。

「先程の爆発って、必要だったのでしょうかっ?」
「必要だよ」
「で、でもっ、兵士たちが集まってきてしまいます……っ!!」
「あー……、ちょっと派手だったかもな」

ちらりと目をそらし、爆発の跡を見るユーキ。そこは、少し地面がへこんでいて爆発の大きさを物語っていた。

「でも必要なんだよ、今の」
「え……?」
「ほら、来たぜ」

すっと空に視線を動かしたユーキに従い、アイリスも空を見上げる。すると、人影が二人分、勢いよく降ってくる。
ユーキは目を丸くしてその影を見つめているアイリスの肩を掴み自分の方へ引き寄せる。
それと同時に、先程アイリスがいた場所に優しい風が吹き、その地にソウとリアがふわりと足をつけたのだ。

「え……?」
「無事に出て来れたみたいだな」
「なんとかね……」
「うん。……ユーキ、早く行こう」
「だな」
「アイリスちゃん、だっけ?」
「えっ、あ、はいっ」
「まだ走れる?」
「だ、大丈夫です!」
「ならよかった」
「悪いな、もう少し頑張ってくれ」

ユーキが優しげな笑みを浮かべると、アイリスは少し頬を染め、その後にっこりと笑みを浮かべた。

「リア、頼む」
「わかったわ。こっちよ」
「行くぞ、アイリス」
「はいっ」

差し出されたユーキの手を取り走り出したアイリスは、なんだか少し、楽しそうな表情をしていた。




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