アイリスが叫び声を上げてすぐ。
大きな扉が開けられ、扉の前に立っていた兵士たちが部屋に入ってきた。

「姫様どうかされましたか、……!!」
「おまえたち……!」
「おい、他の奴らも呼んでこい!」
「は、はいっ」

城の姫様であるアイリスはユーキに捕まり、刀の刃を首筋にあてられていた。それを見た兵士は下手に動けず固まってしまう。しかしその間に他の兵士たちがどんどんと集まってきていた。

「そこを開けろ。通せ。でなければ姫さんがどうなるかわからねぇぞ」
「っ、」

アイリスを助けようと駆けつけてきた兵士が、ユーキの言葉で少しずつ道を開けるがなかなかすぐには開かない。彼女を傷付けるわけにもいかないが、連れ出すわけにもいかないらしい。

「……仕方ねえ」
「あの、」
「何があっても手を離すな。……今から走るぞ」
「は、はいっ!」

そう言ってユーキは素早く刀をしまい、アイリスの手をぎゅっと握る。それからリアの方を振り向き合図を出し、彼女はそれにこくりと頷いた。ユーキが走り出すのと同時にリアが魔法を唱え、大きな水の塊が扉にいる兵士たちを吹き飛ばし、ユーキたちが部屋を出るための道を作った。

「あとは頼む!」
「任せて!」
「捕まるんじゃないわよっ!」

二人が走りだし、姿が完全に消える前にソウとリアは大きな声で彼らに言葉を投げつけた。それから、彼らを追いかけようとしている兵士たちを見てソウは彼らの足元を狙撃し、リアは術を使い氷で扉をふさいだ。

「行かせないわよ」
「悪いけど、僕らの相手してよね」

二人は楽しそうな顔をして、戦闘態勢に入ったのだった。




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