monologue2







その年は異様なほどの暑さだった。あまりにも暑すぎて頭が沸騰しそうなので、俺は冷房の効いた部屋で横になっていた。何をするでもなくボーッとしていれば、意外と時間というものは早く過ぎるものなのだ。

受験勉強?そんなもの必要ない。別に上を目指しているわけではない。こう見えて成績は良い方だから、適当に入れるところに行けば良い。
でも、本当のことを言うと、どこでも良いと言うわけではない。できることならば、あいつと一緒の…

昼の一時頃だったか、外の気温が最も暑くなっている頃に携帯が振動し始めた。誰だかはすぐに分かる。俺の携帯を鳴らすのはあいつしかいない。

「今からそっち行くわ。」

拓也は用件だけ行ってすぐに電話を切ってしまった。俺が言葉を挟む余地もない。
あいつはいつもそうだった。こっちの事情など一切気にせずに、突然家に来たり、逆に連れていかれたりもする。
でも、迷惑に思ったことはない。昔からそうだった。だからいつの間にか、それが当たり前になっていたのだ。

そう、俺が一生忘れることができないあの出来事があったのも、蝉の声がやかましい暑い夏の日だった。




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