小説 | ナノ


「何故、私を団長の配下にしたの?」
「…エルヴィンのサポート役に抜擢されたんだ、とんだ出世じゃねぇか」
「リヴァイが推したの、知ってるんだから」



知ってる。
全部、知ってる。



「私は、」
「オイ、アイリ。いつまでもガキみてぇな我が儘言ってんじゃねぇ」
「だって、」
「これは命令だ」



強い口調で、上官としてそう言われてしまえば、私にはもはや抗う術はなくて。受け入れるしかなくて。

これだから、兵士ってやつは嫌なんだ。
けれど、兵士で在るおかげで、私はあなたと戦える。戦って、きた。




「私が、邪魔になった?」
「…あぁ、そうだ」
「私が、嫌いになった?」



分かってるんだ。
前線から少しでも退けようとしてること。
あなたが何より信頼している団長に、私を預けるということ。

全部、ぜんぶ。





「…嫌いじゃねぇ」

だから、従え。





そう呟いたリヴァイに、泣きながら頷くしかない事も、



分かっていた
(けれど心は、)










clap?








(2012/5/20)