小説 | ナノ


「リヴァイ」



低く静かに声を出せば、目の前のソファーで悠然と足を組んでいたリヴァイがため息を吐いた。



「私の言いたいこと分かるよね?」
「…あぁ」
「リヴァイが強い事は知ってるけど、今日のアレは無茶し過ぎだよ」
「別にあんなのは無茶じゃねぇ」
「一手に引き受けるにしたって、今日のは多すぎ」
「あれくらい余裕だと判断したからだ」


むすっとした顔でリヴァイは背もたれに腕をかけて足を組み換えた。
叱ってるのに何て態度だ。


「あのね、私はリヴァイが心配なの」
「……」
「皆はリヴァイを英雄だと称賛してるけど、」



そこで言葉を切って、真っ直ぐリヴァイを見つめれば、リヴァイも私を真っ直ぐと見つめ返した。



「私からしたら、たった一人の大事な恋人なの」



そう、少しでもこの気持ちが伝わればと、はっきりと告げた。

分かってる。

そんな、小さな声が返ってきた。



「じゃぁ、もう少し自分を大事にして。ね?」
「……」
「それとも何?リヴァイは私を一人にする気?」
「…しねぇ」
「言っておくけど、リヴァイに何かあったら私生きていけないから。私に死んで欲しいの?」
「…欲しくねぇ」



その答えを聞いて、私はにっこりと笑った。



「じゃぁ、無茶はしないと約束ね」
「…あぁ」



差し出した小指に、観念したようにリヴァイの小指が絡められた。









彼女こそ人類最強

それは彼女の密かな呼び名。





clap?







(2012/7/2)