1日の中でもっとも温度が高くなる午後・・・。


風はある物の、やはり動くと暑い。
最後の書類を終えたシンクは手で顔を仰ぎながら、ソファーに視線を向けた。

1人の少女がぐったりと仰向けになっている。

その姿に苦笑し、視線を窓の外に向けたときだった。





『そうだわ!水浴びしましょう!』

「・・・は?」







恋人の突然の提案で、近くの湖へと行くことになった。

水着などの入った袋を持ち、シンクはめんどくさそうにため息をついた。


当の本人、ナマエは日傘をさし鼻歌混じりに歩いている。


『さぁ、きびきび歩きなさいシンク!』

「そんなに急がなくても湖は逃げないよ。」

『早く水につかりたいのよ。熱いじゃない。』



(大人びた口調のくせに、本当子供っぽいんだから・・・)


そんなことを思い、クスクス笑うシンクに気づいたのか、ナマエはムッと眉をひそめ彼の腕を掴むと走った。


「うわっ!ちょっとナマエ!」

『早く行くわよ!
汗だくなんだから!!』

















***
湖についた時、2人は汗でびっしょりだった。

まぁ、この暑いのに走ったからなのだが・・・。


『・・・暑くて倒れそうだわ。
私はこっちで着替えるから、のぞかないでよ?』

「失礼だね。覗くワケないだろ。」





鼻で笑い、ナマエと逆の草むらへと入る。


覗かない。とは言ったものの、やっぱり気になるワケで・・・

少しソワソワとしながら着替えを済ませたシンクは先ほどナマエと別れた場所で、彼女を待っていた。



と・・・



『きゃー変態っ!!』



突然ナマエの悲鳴が聞こえた。

慌てて彼女の元に向かうと、そこにいたのは・・・



肩で息をしながら日傘を構えているナマエと、おそらく思い切り叩かれたのであろう、倒れているガイだった。


『もうっ!女性の着替えを覗くなんて・・・って、あら?
ガイじゃないの。』

「気付くの遅いよ、ナマエ。」

『思い切り殴っちゃったんだけど、大丈夫かしら・・・。』

「息してるし、大丈夫だろ。」


確かに息はしているが・・・やはり心配ではある。
ナマエは自分のハンカチを濡らすと、ガイの額に乗せた。

その行動に少しムッとしつつも、シンクは黙って見ている。


「ん・・・うーん・・・イタタ。」

『ガイ!良かったわ、気付いたのね。』

軽く舌打ちが聞こえたのはきっと気のせいだろう。


『ごめんなさい。ガイだとは思わなくて・・・。』

「あぁ、いや。俺の方こそ済まない。
まさか人が着替えているなんて思わなくてね。」

『見てないわよね?だから許すわ。
ところで、いったい何しにここに?』

「暑かったから、涼みにね。」

「1人で?いつものお仲間はどうしたのさ。」

「俺だってたまには1人になりたいさ。」

「ふーん。じゃあ離れたところで涼んでなよじゃーね。」

『ちょっ、シンク?』


一息に言いきると、シンクはナマエの手を引いて湖へと向かった。






先に湖に入り、片手を彼女に差し出す。
その手を握ると、ナマエはそっと湖へと入った。

『冷たくて気持ちいいわね、シンク。』


笑顔ではしゃぐナマエに、そうだねと返事をし、シンクは水を彼女にかけた。

『きゃ!・・・やったわねシンク!』

「うわ!・・・かけすぎだろっ!」


まるで幼い子供のように、2人ははしゃぐ。
普段大人びた態度をとっていてもまだ子供。

仕方のないことだろう。


しかし少々ふざけすぎたのか・・・湖底にあった岩につまづき、ナマエの体が後ろに傾いた。

「・・・っナマエ!」

慌てて手を掴むものの、重力に逆らえず、2人して背後の大岩に倒れこんでしまった。

『いった・・・。シンク、ありがと・・・って、シンク?』

「・・・ナマエ、ごめん。」

『え?・・・んっ』


小首をかしげるナマエに触れるだけのキスをする。

そしてそれは少しずつ激しくなっていき、遂には舌を入れ始めた。


『ちょっ・・・んむっ!
ふ、ぅ・・・っは、ガイが来たらどうす、んんっ!』

「陰になってるし、アイツからは見えないよ。
・・・ナマエ」


そっと彼女の頬に手を当て再度キスをすると、シンクはナマエの胸に触れた。


優しく揉みし抱くそのたびにナマエの体はビクリと震える。


その反応にシンクは笑った。
もう1度キスをし、水着の中に手を淹れようとした時・・・



「何をやっているんだ?シンク」

『がっ、ガイっ!』


ガイが現れ、彼の腕を掴んだ。







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