私の心に気付いて

『思いつなかいよぉ・・・。』 カリナは椅子に座って机の上に置いた紙と睨めっこしていた。因みに、その紙は真っ白である。




「あれ?カリナはまだ残っているの?」  振り返るとそこにはデントがいた。
『デント・・・?もう帰り?』 首を傾げながら聞くカリナに対してデントはにっこりと笑った。
「うん。終わりだよ。・・・何をしてるの?」  カリナはさっきから小難しそうに考えているので疑問に思った。
『えっ・・・? 新しいメニューを考えようと思って・・・。』  屈託のない笑顔でデントに答えた。
「コーンと考えたら?付き合っているんだから。」 デントは溜め息を吐きながらカリナの前に座った。
『うん。・・・。そうするよ。コーンにも提案して了承は貰っているし。でも、何かコーン、今は忙しそうだったから先に一人で考えようかな・・・・。って、デント・・・。その手は何?』
「何だろうね・・・。今はコーンが見ていないからカリナを弄る事が出来るから、凄く楽しみなんだ・・・。」 デントは新しいメニューを考えているカリナを良いことにカリナの顎に手を当て上に上げた。デントは怪しい笑みでいる。カリナはただただ、唖然とする事しか出来ず、デントの思い通りに動かされていた。

すると後ろから殺気が溢れた声がした。
「デント。人の恋人に何をしているのですか?」 デントは首だけを後ろに向け、静かにカリナの顎から手を退けた。
「詰まんないの。案外、来るの早いんだぁ・・・。コーン、自分の彼女だったら大切にしないと。」
「・・・。何のことですか?コーンにはさっぱり分かりませんが。」 コーンは眉を 顰めてデントに訪ねた。
「まぁ、次も、今みたいに放置をしてたらわかるんじゃないかな?その内、奪って、カリナを僕のものにするから。」 デントは悪戯な笑顔で去っていった。


「・・・。何をされたのですか?」 コーンの口調から怒りを感じとり、カリナは驚きを隠しきれなかった。
『えっ!?・・・メニューを考えていたらデントが来て・・・。そしたらあんな状態に・・・。』 カリナは怯えながら答えた。だか、コーンはその姿を見逃さなかった。 そしてカリナを静かに抱きしめ、カリナの顔をコーンの胸の中に埋めた。
『コ、コーン?どうしたの?』 胸の中から上目使いの状態になったカリナを見てコーンは優しく微笑んだ。
「すみません。一人にして、怖かったでしょ・・・。コーンはデントに焼き餅をやいてしまいました・・・。」
『そうなんだ・・・。気にして無いよ。私もご免。デントにあんな事されたのに反抗しなくて・・・。』  しゅんと下を向くカリナの頭を優しく撫でた。
「カリナは反抗するのが出来ない人だから仕方無いですよ。後でデントにはキツく言っときます。」 一瞬、コーンの目が輝いたのを見てカリナは寒気がした。
『あんまり、酷く言ったら駄目だよ。』
「・・・。相変わらず、優しい性格ですね。」 コーンは軽くため息を吐いた。
「優しいカリナにはご褒美をあげます。」
『ご褒美って・・・?・・・んぅ!?』 コーンは疑問な顔をしているカリナを余所にして、カリナの唇に自身の唇をつけた。生憎、ホールは薄暗かったので月明かりだけコーンとカリナを静かにそして美しく照らした。
コーンが思う存分、堪能した後、カリナの唇から自身の唇を離した。そしたら、カリナの頬は段々と紅潮していき、コーンの胸の中に顔を埋めた。コーンはそんな姿のカリナを見て、満足そうに微笑んだ
「次から、デントやポッドに好き勝手にやられていて、反抗をしなかったら、今より深いのをしますからね。」
『う゛ぅ・・・。 気を付けます。』 コーンの何時も以上に楽しんでいる笑みに悪寒を感じてカリナはコーンの胸の中から答えた。
コーンは机の上に置いてある白紙状態の紙を目を落とした。
「では、一緒にメニューを考えますか。明日はお店を休みにしているので創作をしましょう。」
『うん。メニューは一応、思いついたんだけど言っても良い?』 カリナはコーンの胸の中からゆっくりと出て、コーンに尋ねた。
「良いですよ。何ですか?」 コーンは先程とは違って、輝きながら新メニューの説明をしているカリナを穏やかに見つめた。

END



(カリナ・・・。絶対にデントやポッドから守るので安心してくださいね。)




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