『・・・明日かぁ・・・。』 カリナはカレンダーを見て呟いた。

明日は、世間の女子が心を躍らせるバレンタイン。カリナにも渡す相手が居たが自信が無かった。その相手とは1カ月前から付き合いだした。ファンに凄く囲まれるので渡そうか迷って、今日になってやっと意を決した。
『・・・ちゃんと渡せるかな・・・?』カリナは不安と緊張を抱えながら眠りに付いた。

ビター・ラブ


2月14日  Valentine

カリナは緊張しつつサンヨウジムの前に立った。
『・・・大丈夫かな・・・?』そっとドアに手をかけ大きく深呼吸していたら、
「・・・。何をやっているのですか?」
『えぇ・・・。コ、コーン!?』
カリナはビックリしつつも持っていたのを背中に隠した。
「何か、このコーンに用事があったのでは?」 ため息をしつつ、コーンはカリナに聞いた。
『・・・。何にも無いよ。暇だったから来ただけ。なんか悪い?』カリナを動揺しつつも冷静に答えた。
そしたら、コーンは微笑みながら
「そうですか・・・。では、先ほど隠したのは何ですか?」と尋ねた。
『・・・・。えっと・・・その・・・。』
「諦めたらどうですか?コーンに渡したくって来たのでしょ?」

【・・・この人・・・知ってやっている・・・。】
『・・・。はい、どうぞ。先に言っとくけど、美味しくないし、虫歯になっても知らないからね。』 カリナは少し照れつつ、そっぽを向いてコーンに渡した。
「・・・。何、不機嫌になっているのですか?」
『だって、だって・・・。』
「だって?」
『ファンの子からも沢山と貰っているし・・・。』カリナは涙を目に溜めながら言った。
「・・・・何、拗ねているのですか?もしかして、嫉妬でも?」 悪戯な笑みでコーンが言った。
『・・・嫉妬じゃないもん。焼き餅だもん・・・。』
「一緒の意味だと思いますが・・・。それより・・・開けても良いですか?」
『ダメ。・・・って!!なんで開けるの!?』
コーンはカリナの許可を取る前にラッピングを丁寧に解いていた。
「ガト―ショコラですか? カリナ、1人で作ったのですか?」
『うん・・・。コーンって何か甘いのが苦手な感じがしたし・・・。・・・!!??』
コーンは穏やかな笑顔をしてカリナの唇に口付をした。
『なぁ!!??何してるの!!!???』
「特に・・・。あぁ。後、ガト―ショコラ、美味しいですよ。きちんと出来てますね・・・。」
『・・・。』カリナは下を向いた。
「・・・。さっき、カリナは“ファンから沢山貰っている”と言いましたよね?」
『うん・・・。だって、事実でしょ?』 カリナは当然のように答えた。
「ですが、どんなに沢山の方から貰っても、カリナからのプレゼントの方が良いです。」
『!!??・・・有難う』 カリナは笑顔で答えた。 顔にはもう、涙は無かった。

END




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