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帰るはなし。





「…………え、綺礼…くん?」

目を真ん丸くして、あんまり驚いたもので声を掠れさせて尋ねたマスターに、幽鬼のように扉の前に立っていた綺礼は、ややあって、おもむろに口を開いた。

「………お前に確かめに来た」
「? なにを?」

ぽつりと、小さくもはっきりと口にした綺礼に、マスターは訳も解らず頭上に?マークを飛ばす。
そして綺礼はそんな反応に何も返さずに、ゆらりと足音をさせないままマスターの枕元に立ち、光を反射しない昏い瞳を彼に向けた。

「お前の目的は、何だ」
「え?」

立ったままなのに覆いかぶさられたような圧迫感を醸し出しながら言った大真面目な綺礼の言葉に、マスターは気圧されかけていたのも忘れて、素のままにきょとんとして小首を傾げた。

「もく……てき?」

もくてき? もくてきって何の? と、マスターは子どものように綺礼を見上げてぱちくりと瞬きをした。
ずもももも、と威圧をかけてくる綺礼の質問に、マスターは真剣に訳が解らず首を傾げる。目的と言われても、彼には何の事だかてんで解らないのだ。
サーヴァント達の買い物に出かけ、猫を追いかけて道に迷い、凛と出会って犬猫でも拾われる感覚で遠坂家に招かれて今に至るマスターには当然思惑も目的もへったくれもないのだが、当然の相手はそんな反応では納得してくれるはずもなく。
逆にはぐらかされたと思ったのか、眉間にしわを寄せて余計に圧をかけてくる綺礼に、マスターは戸惑ってあわあわと手を彼の前に突き出した。

「お、落ち着いて綺礼くん。よくわかんないけど、とにかく話し合おう。僕、目的とか言われてもよく解んないし、綺礼くんが何でそんなに怒ってるのか良く解らないけど、理由言ってくれたら謝るからっ」

ね、ね、と暗い中表情のよく解らない綺礼が怒っているからここに来たのだと勘違いしたのか懸命に宥めるように訴えるマスターに、綺礼は更に眉間のしわを深めて腕を組む。

「貴様の目的は何なのかと訊いている。私がお前に尋ねているのはそれだけだ。答えないのなら、今この場でお前を排除する」
「え、へっ? だから目的って何の…あ、別に僕このベッドのふかふかに全興味とかないよっ。僕、別に高級なベッドで寝たかっらから泊まらせてもらったとかじゃなくて、本当に迷子になっちゃっただけで………!」
「違う」

綺礼の眉間のしわを見て、またあらぬ方向に勘違いをして弁解するマスターに、綺礼は呆れて嘆息した。
自分は役目を全うする為にこうして遠坂家の妻子が寝静まった後に厄介事を何とかする為にここにきているというのに、その厄介事にそうであるという自覚が全くない。これでは埒のあかない押し問答だ。というか、そもそも話が噛み合っていないような気がするのは何故なのか。
本当に、この男と話していると全ての事がばからしくなってくる。綺礼はなおも困惑顔で自分を見上げてくるマスターを見て、じんわりとそう実感した。

「そういう話はしていない。お前がこの遠坂邸にやって来た目的はなんだと聞いている」
「??」
「…………そんな態度ではぐらかせると思っているのか」

改めて明確に質問を投げかけても何の事だかさっぱりという顔をしてくるマスターに、綺礼は痺れを切らし、おもむろにその今にも折れそうに細い首に手を掛けた。
それを、マスターはきょとんと不思議そうな顔で綺礼の手を見送って、また綺礼の方を見上げる。

「(………こいつ、自分が何をされそうになっているのか解っていないのか)」

首に手を掛けられ、少しでも力を込めようならばポキリと手折られてしまいそうなこの状況で、マスターはその状況がてんで理解していないかのように、怯える様子もなく綺礼の顔を見上げている。
事実、まあマスターは意識がはっきりしてから一度も殺されそうになったことがないため、正真正銘綺礼のその行為の意味が解っていなかったのだが、それでも、綺礼にはその態度が不可解で、その眉間に小さくしわを刻んだ。
全く訳が解らない。なぜこの男は殺されそうになっているにもかかわらず、こうも平然としているのか。死に恐怖しているでもなく、自分が絶対に死なないという確信があるわけでもない。この顔は、本当に自分が今何をされているのか解っていないのだ。

「………お前は、何なんだ」

薄気味の悪い奴。
そう苦虫を噛み潰すような顔で小さくギリ、と歯を鳴らす綺礼に、その時漸くマスターは、不思議そうな顔以外の表情を露わにした。
そしてその顔に、綺礼は微かに息をのんだ。

「………ただの、元歯車の、人間だよ」

ふわりと、そのことがとても愛おしいのだというような、子供のような拙い笑顔で。
どこまでもおめでたいような、幸せだけを感じていそうな能天気と呼べる表情なのに、けれどそれは、一瞬でも触れれば儚く崩れてしまいそうな。まるで、この男そのもののような笑顔。
そんな顔をする人間は、初めてだった。
マスターの笑顔に動揺して、する、と綺礼は思わずマスターから手を離してしまった。そんな自分に気づいて、綺礼は今度こそ盛大に顔をしかめる。

「気味の悪い男だ。この屋敷から出たら、今後一切遠坂の一族と私には関わるなよ」
「ええー。そんな、酷いよ綺礼くん」

マスターから一歩足を引いて、びしりと指を突きつけて言い切った綺礼に、マスターは殺気の表情から一変してしょぼくれた顔になる。
拗ねたように唇をとがらせているマスターのペースに強引に巻き込まれているようで、綺礼はますます不機嫌になる。
その顔を見上げて、マスターはふと思い出したように声を上げた。

「あ。でも、じゃあ今回は関わって良いってこと?」
「…………何?」
「今回は、綺礼くんは僕の事殺さないでいてくれるの?」

にこりと、それならば嬉しいというように、またマスターは綺礼に笑顔を向ける。
その表情に、虚を突かれた綺礼は一瞬目を丸くした。

「………お前は、私がお前を殺そうとしていたのを気づいていたのか」
「? えっと、だって時臣さんは“魔術師”だから。綺礼くんは時臣さんの弟子だって言ってたから、綺礼くんもそうなんだろうなって思って」
「魔術師だから、何だ」

問いかけるたびに思うが、この男の回答は要領を得ない。
痺れを切らした綺礼がより食い込んでした問いかけに、マスターはごく当たり前の顔をして答える。

「だって、魔術師って、必要ならさ、さっきまで笑って話していた人でも、殺しちゃえるでしょう?」

そう、何でもない今日の天気を話すような口ぶりで、マスターは、自分がいつ殺されてもおかしくない状況だという事を、綺礼に告げた。
その言葉に、綺礼は軽く瞠目する。

「…………知っていたのか」

絞り出すような小さな綺礼の声に、マスターは答えない。

「知っていて、今まであんな能天気な笑みを浮かべていたのか」

そんな沈黙では誤魔化されないというように綺礼がさらに問い詰めると、マスターはふにゃりと、困ったように眉をハの字にして苦笑した。

「うん。でも、それでも僕は、時臣さん達を好きになりたかったから」

困ったように笑いながら、それでも、すべてを受け入れているのだというように。
彼の行為の出発点は、『好きになりたい』からなのだ。
好きになったから仲良くなるために頑張るのではなく、その人のことを好きになりたいから、仲良くなるために頑張る。
いうなれば、好きになりたい、と持った時点では、彼はその人のことを何とも思えていない。だって、敵か味方か、解らないから。好きになりたいと思っても、もし敵だったたら、思うだけだったならばすぐにそれを切り捨てられる。
ああ、敵だったのか。それならまあ、仕方ないか。と。

無意識にでも、マスターは他者に、特に魔術師に対してはそう考えてしまっている。
けれどそれは、裏を返せばどんなに自分が危機的状況にあっても、直接的な危害を加えられるまで、マスターはどんな相手でも信じていたいということだ。
例えそれが、彼を何十年にもわたって壊し続けてきた、何よりも恐ろしい人種だとしても。

「もちろん、綺礼くんとも、僕は友達になりたいって思ってるよ」

加えて、マスターは綺礼に対してもそんな事を言ってくる。そんな彼の言葉に、綺礼はその時何故だかひどく腹が立った。
反射的に何事かを怒鳴りつけようとして、綺礼はそんな自身はっと衝撃を受けた。
思えば、綺礼が他者に対してこんなにも感情的になるのは、記憶した中でも片手で数えられるほどしかない。
それも、出会って間もない敵ともしれぬ人間に、何故自分はこんなに憤っているのかと。
………理由は薄々解っている。綺礼は一瞬でも、彼ならば自分の胸にあるいちばん深く黒々としている部分を、受け入れてくれるのではないかと思ってしまった。この自身がいつ殺されるともしれない場所で、殺そうとしているかもしれない人間の前であんな屈託のない笑顔を浮かべている彼ならばと。
そしてそれを一瞬でも考えてしまったことが、綺礼にとっては酷く腹立たしいのだと。

「…………もう、良い」
「え?」
「お前と話しているのは疲れる。貴様を問い詰めるのは、もう止めた」
「き、綺礼くん…………!」

嘘だ。疲れたなどという理由で、綺礼が職務を怠慢することなどあり得ない。
ただ、綺礼は彼とこのまま話しているのが怖かった。
このまま話しているうちに、自分がマスターという人間に絆されてしまうような気がして、怖かったのだ。

「勘違いするな。私はお前のような人間となれ合うつもりはない。今晩はこのままお前を監視する。少しでも怪しい動きをしたら息の根を止めるからそのつもりでいろ」
「それでもいいよっ。綺礼くん、良かったらもっと僕と話さない? 僕もっと綺礼くんのこと知りたいな」
「断る」

途端にぱあっと顔を輝かせてキラキラとした目でこちらを見てくるマスターに嫌そうにそのオーラを手で跳ね除けて、綺礼は腕を組んでマスターを睨みつける。
警戒を解いたわけではない。今だって、少しでもおかしな動きをすればそれが何であれ殺す用意は綺礼には出来ている。ただ、それが今すぐというわけではないだけで。
そうは言っても、マスターはお構いなしに綺礼に屈託のない笑顔を向けてくる。

「綺礼くん、今晩監視するって、ずっと? このままで?」
「無論だ」
「ええっ、悪いよ。僕が立ったままでいるから、綺礼くんベッドに入ってて」
「意味が解らん」

何故「一晩中お前を監視してやる」と言っているのに、帰ってくるのが「悪いよ」なのか。
しかも言うがいなやいそいそとベッドから出てそこを譲ろうとしているマスターに、その行動の理由が解らずに綺礼はこめかみを指で揉んだ。

「いらん。大体、私がベッドに入ってお前が外に立っては、お前が何かした時に私の対処が遅れるだろう」

そういう綺礼の対応も随分ずれているものであったのだが。
しかし、生憎とここにそのことにツッコミを入れられる者はおらず、マスターは素直に納得してそっかと頷いた。

「でも、僕がぬくぬくベッドにいる横で綺礼くんを立たせたままでいるなんて申し訳ないよ。じゃあ、せめてベッドに座って。僕も座るからさ。これなら距離は結果的に縮まるわけだから、僕が何かしようとした時に、むしろ綺礼くんは早く動けるでしょう?」
「………………なにか仕込んで」
「ないってば」

あくまでもマスターを疑う姿勢に綺礼にふふっと笑い声を漏らして、マスターは布団から這い出て座った前の布団の方をポンポンと叩く。
それに念の為手をかざして害がないか確かめて、綺礼はしぶしぶベッドのサイドに浅く腰掛けた。

「ねぇ、せっかくだからちょっとずつでも何かお話ししようよ。僕に答えられる質問ならなんでも答えるよ」
「お前に興味などない」
「えー、僕は綺礼くんにすごく興味があるのに」

にこりと、またマスターが邪気なく笑う。裏表のない人の態度に慣れていないため、その顔を止めろと思いながら、綺礼は柔和な態度の癖に意外とまったく引きを見せないマスターに諦めて溜息をついた。

「そういえば、綺礼くんは今日時臣さんに言われてきたの?」
「師から見張れとは言われたが、夕食時によりその命は解除されている」
「じゃあ、自分で僕が危ないって思って来たんだ。綺礼くんは時臣さんたちが大好きなんだね」
「何故そうなる。私のそもそもの任は時臣師とその妻子の命を守ることにあって、」
「でも、時臣さんが僕に害はないって判断したのにそれでも心配だったってことは、やっぱりそれだけ凛ちゃんや葵さんが心配だったって事でしょ?」
「違う」
「違わないよ、綺礼くんにその自覚がないだけだよ、きっと」
「これ以上その話をするならもう貴様とは口を利かん」
「あっ、わ、待って綺礼くん…! じゃあ、えっと、綺礼くんの家族は何人?」
「父が1人」
「へーっ。お父さんって優しい?」
「一般常識を外れない程度には」

それから、マスターがやわらかいテンポで繰り出していく質問に、綺礼が短い言葉でぽつぽつと返していくのが続いた。
始めは何か時臣に対する事柄を聞き出すのかと拳に力を入れていた綺礼だったが、マスターが綺礼にしてくるものは、綺礼の家族の事や、好きな食べ物は何か、花は好きか、凛たちとは普段何をして遊ぶのかなど、時臣どころか聖杯戦争に何らかかわりのない、綺礼個人の事だけだった。
それも核心の質問に至るための前振りかと思ってみれば、マスターはぽつぽつと綺礼が返す言葉を嬉しそうに頷いて受け取って、それが結局明け方まで続いた。
次第に綺礼も警戒していくのが馬鹿馬鹿しくなり、最後には少しだけだが、マスターの方にも何か質問を投げかけるまでになった。
質問とはいっても、お前は何故そんなに能天気なんだとか、そんな風なレベルだったが。
それでも質問をするたびにマスターが酷く嬉しそうな顔をして答えていくので、綺礼は何だか少し照れくさくなって、彼なりの照れ隠しにマスターの額を軽く叩いて、それがマスターにしてみれば結構な衝撃で、そのまま軽く脳震盪を起こして気絶してしまい、なし崩し的に2人の質問会はお開きになってしまったのだが。

そして翌日、朝食時に友達は自分を探して冬木大橋にいる筈だと話したマスターに、それならば葵と凛に送らせようと時臣が言い、そこに綺礼が自分もと申し出た。

「おや、一晩のうちに随分とカラスと仲良くなったんだね、綺礼」
「えへへっ、仲良しに見えますか?」
「まったく違います師よ。奥方とご息女の安全の為です」

ふにゃふにゃとスコーンをフォークに刺したまま嬉しそうに笑うマスターを睨みつけながら綺礼がすげなく切り捨てるが、それでも何とも生暖かい視線で見られて落ち着かない。
「まあまあ言峰さんったら照れちゃって」みたいな目で見てくるのを止めてくれないだろうかと若干綺礼がうんざりしてきた頃に、マスターの身支度が完了した。

「時臣さん、葵さん、凛ちゃん、綺礼くん。短い間だったけど、お世話になりました」
「ああ。願わくば、次に会う時はまた迷子にならないでおいてくれるかい? また拾ってあげられるとも限らないからね」
「う……はい、頑張ります」

からかうような時臣の口調にマスターが赤くなって肩を落とすのに、凛と葵の温かい笑い声が降る。
その仲睦まじい様子を一歩引いてみている綺礼に気付いたマスターがこちらに笑いかけてくるのに気付かないふりをしていると、時臣がマスターの方へ一歩文出て、手を出すように促した。
言われるがまま右手を出したマスターの手に乗せられた、小さくもずしりとした重みのある麻袋に、マスターがきょとんと首を傾げる。

「…………時臣さん、これ」
「明けて御覧」
「えっ」
「いいから」

促す時臣に戸惑いながらもマスターが左手で麻袋の結ばれていたひもを解くと、中から銀のチェーンで1つずつ繋がれたきらりと光る美しい緑や黒や赤の石が出てきた。
それを見て、マスターが大きく目を見開いて、おろおろと手に乗った石と時臣を交互に見る。

「え、えっ、あの、と、時臣さんこれっ」
「魔よけの、ちょっとした天然石だよ。マラカイトとオニキスとガーネットだ。そこそこの魔除けになる。君に渡そうと思ってね」
「だ、ダメだよ、だってこれ宝石だよっ?」

あわあわと本気で慌てているマスターを見て、時臣は楽しそうにくすくす笑っている。
綺礼も、まさか時臣がこんなことまでするとは思ってもみなかったので気づかれない程度に瞠目し動揺していたのだが、葵と凛はそれを当然のように受け入れている。

「宝石といっても、それは大した値段でもないものだ。遠慮するようなものではない」
「そういう問題じゃ、時臣さんっ」
「カラス」

受け取れないとつき返そうとするマスターに、時臣がびしりと人差し指を突きつける。
それに目を真ん丸にしておっかなびっくり見つめるマスターに、一瞬厳しい顔をした時臣はすぐ柔らかな表情に顔を変えて、ふっと微笑んだ。

「子供が、そんな心配をするものじゃあない」
「あ………」

その言葉に、マスターが虚を突かれたようにぱちりと瞬きをする。それを見て、時臣はにっこりと笑う。

「受け取ってくれるね」
「…………はい」

時臣のその言葉に、マスターは今度はこくりと頷き、深々と頭を下げた。

「本当に、ありがとうございました………っ」

時臣さんもみんなも、ずっと大好きです。
その声が少し震えていたのに、時臣たちは彼の頭を撫でて気づかないふりをしてくれた。
それから冬木大橋までの道のりを凛たちと楽しそうに話して過ごし、ようやく橋の全貌が見えたところで、ぱっとマスターが顔を輝かせた。

「ああっ、友達だ…………!」

そういうがいなや、くるりと凛達の方を向いてぺこりと頭を下げるとそのままさようならと言って、一目散に橋の入り口に見えた白髪と金髪の人影へ向かって走って行った。
人影の方もそれに気付いたようで、走ってくる彼の方に自分たちも駆け寄りあとちょっとの距離というところで、金髪の人影が、マスターに勢いよく跳び抱き着いた。
それを受け止めたものの、支えきれずにもんどりうって倒れようとしていたのを、白髪の大柄な人影が慌てたように2人を支える。
そして3人で顔を見合わせ、楽しそうに肩を叩いて互いの存在を確認し合っている。
そんな仲睦まじい3人を見て、葵と凛は心から嬉しそうに笑いあう。距離を置いているここからでも、彼らがいかに互いを大切にしているのかが解りやすいほどに良く解る。
だからこそ、再会で来てより良かったと、見ているこちらまで心がふんわりと温まった。
そこで、そろそろ戻ろうと綺礼に声を掛けられて、葵と凛は笑顔のまま踵を返し、その場を後に歩き出した。

そして、もしもそこで綺礼があと数メートル近づいていたなら、きっと彼は気づいただろう。
その先程まで自分たちが保護していた青年を迎え入れたその2人組が、この世ではありえないほどの、霊格を有しているという事に。








ようやく迷子編完結しました―……っ!いやあ長かった、本当に長かった。ここら辺でマスターの心境にもちょっと変化があったので、次回から徐々に展開が動き出していきます。
本当、10月のアニメFateが始まる前に、Zero本編のくだりには突入しないとなーと思いまして。これからは出来るだけ早く書いていこう。筆は遅いけれども!
一番の目標はアニメFate始まる前にZeroのあたりを半分まで進ませることですけど。えっと、うーん…ちょっとだけ期待して待っていてください!!!







2014.9.3 更新