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カルタッタ…、人口千百万人、浮浪者の数二百万を超す
十九世紀のイギリス人はこの街を『この宇宙で最悪な所』と呼んだ。

「要は慣れですよ、慣れればこの国のふところの深さがわかります」
「中々気に入った、いいところだぜ」
「マジか承太郎!マジにいってんのお前」
名前はジョセフの意見と同じである。
名前も「マジか」と大声で叫びたいが疲れてそんな気力はない
まだ「バクシーシ」という言葉が耳に残っている、もうあんなにもみくちゃにされるのはこりごりである。
どうやらポルナレフは手洗いにいくらしい。
この後ポルナレフは敵スタンドに出会い、
アヴドゥルの言うことを聞かずに単独行動をする。
これはまず、止めない。アヴドゥルが死んだ、と敵に思わせなくてはいけないからだ
予知通り、ポルナレフは単独行動
アヴドゥルもポルナレフに幻滅している様子だ。
名前はポルナレフに気づかれないよう追跡すると敵スタンド遣いと対峙していた。
あれは銃のスタンド遣いだ、銃を数発打つがポルナレフは余裕に構えていた。
だが敵のスタンドにより銃弾の軌道は曲がり、本来自分のスタンドでぶった切るはずだったのに避けられる形になる。
危ない、と思った時にはアヴドゥルがポルナレフを突き飛ばし、弾は空振り
…だがそれもUターンして曲がってくる
アヴドゥルは『魔法使いの赤』で焼き尽くそうとするが
背後にある水たまりにいた光の反射による敵スタンドのよって背中を刺される。
まだだ。助けに行っちゃあいけない、堪えるんだ
ボゴォと派手な音を立てて額を貫かれたアヴドゥル。

「アヴドゥルさん!!」
一連の流れを見ていた花京院がアヴドゥルの元へ駆けつける。
ポルナレフは唾を吐いた、舌打ちを鳴らした、文句をいった

そして、泣いていた。

「自分の周りで死なれるのは迷惑だぜッ!この俺はッ!」
怒りを抑えきれなくて、無謀なことをしようとするポルナレフ
銃のスタンド遣いによる攻撃に目を奪われていたポルナレフを、その隙に反射のスタンドによる攻撃。巧妙だ
今にも刺されそうなポルナレフに、花京院はエメラルドスプラッシュをポルナレフに放ち、その攻撃を乱暴ではあるが避けさせた。
ポルナレフをそのまま車乗せ、一先ず距離を取る二人。これでもう彼らは安心だ。
名前は急いでアヴドゥルの元へ駆け寄り、額に手をのせ、波紋を流す。
傷口は塞がっている。だが目は覚まさない

「…。アヴドゥルさん・・・起きてくださいよ」
揺らしても揺らしても起きない。
冗談よしてくれよ、大丈夫だよな?
生きていてくれ、お願いだ。

「・・・お願いだよ・・・。」
「…うッ」
「・・・・・・よかった」
目覚めないかと思た。よかった、本当に良かった
アヴドゥルが唸り声と共に重そうに起き上がると同時にジョセフと承太郎が駆けつけてくる。

「どうしたアヴドゥル!大丈夫か!」
「えぇ…。大丈夫です、名前が波紋で治してくれました」
「…お前は大丈夫なのか。」
アヴドゥルがのっそりと立ち土埃を払う。
名前は承太郎に安否を聞かれたので「大丈夫だ。」と短く答える

「…アヴドゥル。…申し訳なかった」
「何故謝るんだ?」
「…私は、未来を知っていた
知っていて、アヴドゥルが撃たれるのをただ見ていた」
「それは私は死なないと予知に出ていたからだろう
君は君の考えがあった、そうだろう?」
正直、軽蔑されたり。信頼を失ったり
死んだらどうするんだと激昂される覚悟があった
なのにアヴドゥルも、ジョセフも、承太郎もこんなに信頼した目で名前を見てくれている。

「……ありがとう、ございます」


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