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香港に着けばまずジョセフが腹が減ったと中華料理屋さんに向かった。
出だしは予知通りだ、あのヴィジョンが外れたことは無い

「名前、予知の調子はどうだ。」
「あぁ、順調だ。3人の敵スタンドの予知を見た」
おぉ本当か!と喜ぶジョセフ
早速教えてくれと承太郎以外の3人はこちらをみてくる。

「えー…と、すまないが未来の情報は被害がなければ極力私の中にしまっていたい。
私は本当に未来が変わってしまうことを恐れているんだ、
被害が一人でもでるなら情報を君らと共有するが
逆に被害が一人でもでないならこのまま予定通りに行動した方がいいと思う。
勿論、私はこの旅に連れて行ってもらっている身だ
君らが本当に教えろというなら、素直に従おう」
手元にあるコップをぎゅっと握る。
水滴が手に滴って少し不快だが、柄にもなく緊張して、何かを握ってないと不安だった。
だが助かることに彼らはコクリと首を縦に振り、名前の頼みを受け入れた

「でもこれはこれで安心じゃあないですか、
名前がなにも言わないのなら僕らに大した被害は無いということですから。」
「そうじゃな、多少の怪我なら波紋で治せるしな」
名前はてっきり非難されると思ったから・・・
逆に彼らが優しく暖かい心の持ち主だということがわかってほっと安堵の息が漏れる。
そしてそろそろ彼が来るころだ。

「すみません、ちょっといいですか?
わたしはフランスから来た旅行者なんですが…」
きた。確か名前はポルナレフと言ったか…、予知通りに行けば彼は仲間になるはず
内心は冷汗がでていたが持ち前のポーカーフェイスで何も知りませんよという風な演技をする。
彼は漢字が難しくてメニューが見えないと困っていた、
ジョセフが得意げにポルナレフの注文をしてやると本来注文したものとは程遠いものが出てきた。エビとアヒルとフカのヒレとキノコ料理を頼んだはずが
おかゆにカエルの丸焼きに魚を煮たものに貝料理。しかも見た目がグロテスクだ。
大方ジョセフが漢字を間違えたのだろう、これはヴィジョンにはなかったな…

「ん、ホントに結構イケるぞコレ」
皆が見た目がグロテスクすぎて手を付けようとしない、
そんな空気に耐えきれずえいっと一番まともそうな貝料理を口に運ぶと結構なうまさに驚いた。どれどれと皆も手を付け始め、うまいうまいとどんどん口に運ぶ。

「手間ひまかけてこさえてありますなぁ、ほらこの人参の形。
星の形…なんか見覚えがありますなあー。」
その言葉と共にポルナレフのスタンドが下から現れる。
大丈夫だ、あわてるな。今のところ予定が変わったところはない
このままいけば未来通りにいくはず、と事態を見届ける。
ポルナレフはジョセフに攻撃をしかけるとそれと同時に
アヴドゥルがポルナレフに攻撃をする。
表へ出ろ。店内などこんな狭いところより
広いところの方がアヴドゥルに有利だろうとポルナレフはアヴドゥルをけしかける。
再戦の場所はタイガーバームガーデン、最初はアヴドゥルに有利だとみられたがポルナレフも負けじと鎧を捨て、俊足という奥の手をだし戦う。

最終的にはアヴドゥルの起点によりアヴドゥルが勝利した
『魔術師の赤』により炎に身を焦がされるポルナレフに短剣を投げ渡す。

「炎に焼かれて死ぬのは苦しかろう、その短剣で自害するといい…」
ポルナレフは一瞬、その短剣でアヴドゥルの背中に短剣を突き刺そうともするが
すぐにその行動は制止される。そしてすぐそのあと自害をしようと首に短剣を添えるがそれもすぐやめる。
潔く炎に焼け死ぬとしよう、それが君への礼儀。自害をするのは無礼だと瞳を閉じた。

パチンッ―
助けた方がいいかと名前が身を乗り出した瞬間、アヴドゥルの指が鳴る音と共に炎も跡形もなく消えてしまう。
ほっと息をつく名前とにやりと笑みを浮かべる承太郎。
アヴドゥルがポルナレフの髪を分けて見せると肉の芽が埋め込まれていた、
どうやらアヴドゥルも承太郎もこのことを知っていたらしい。
すぐに肉の芽を引っこ抜く承太郎。

「うぇぇー!この触手が気持ち悪いんじゃよなぁー!」
と身をよじらせ心底気持ち悪そうだ、だが名前もジョセフの気持ちに同感する
これは名前の大嫌いな虫の類と同じくらい気持ち悪い・・・。


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