15  




早朝。四人は飛行機へ乗り込んだ。
やはり飛行機というのは暇なのか乗客院はちらほらと安らかな睡眠をとっていた
承太郎、ジョセフ、花京院、アヴドゥルに名前も仮眠という形で睡眠をとっていたが
いきなり、何者かに監視されるような視線を感じてハッと目が覚めた。
それは承太郎とジョセフも感じたらしく、花京院とアヴドゥルにはその異変は見受けられない、どうやらあの二人と名前にだけ起きた異変らしい。
だがジョースターの血族ならDIOに何らかの方法で監視されてもおかしくはない
ただ何故、自分まで監視をされたのかが分からない…。
目の前で今の異変について話している二人を名前はただ見つめた。


ブーン、ブーンと虫が飛び回る音が聞こえる。不快な音に浅い眠りに入っていた名前は静かに目を覚ました。
なんだと思って見渡してみると、その音の正体はなんとクワガタだった
夢で見た通りだ。だとするとこれは敵のスタンド
そのクワガタは承太郎の背後へと現れた。
遠目からではわかりづらかったが、承太郎のすぐ側まで近づくと異様にでかいことがわかる、承太郎の頭部以上にでかいのだ。
そのクワガタはウジュルウジュルと涎を口から垂れ流し承太郎へ襲い掛かる。

「全く、本当にその通りになるとはなぁ。…オラァ!!」
「驚きですね…ッ!」
決着は早く着いた。
機長は警護していたため手が出せず無事、
敵のスタンド『灰の塔』は乗客を攻撃する前にスタープラチナの攻撃を避けたところに『法廷の緑』で引きちぎられる。

「ほ、本当に同じことが起きるなんて…」
「やはり名前の能力は本物じゃな…。」
アヴドゥルにジョセフも敵スタンドと戦闘が終わったのを見越して駆けつけてきた。
乗客、機長は全員無事。機長たちには裏がとってあったのでこのまま香港まで乗せてもらうことになった

「しかし心配じゃのう…。これだと被害は少なくて済むが
無事にホリィが助かるかどうか…。」
「安心してくれ。私の予知夢は“自分にとって重要な事柄”を見る
聖子さんに何かあれば率先して見るはずだ、
私にとって聖子さんの安否はこの旅において何よりも重要だろう?」
微笑む名前は随分頼もしくみえた。
その言葉が嬉しくてジョセフは名前の頭をわしわしと撫でくりまわす

「あっ、こらやめろジョセフ!」
「年上には敬語を使うもんじゃよーッ!」
「昔からお前のことを知っていると言っただろうッ!
今更キサマに敬語など気色悪いわ!」
また憎たらしいことを言って見せる名前にさらに撫で繰り回す
しかしこのジョセフよりも何十歳も年下であるのに本当に昔ながらの付き合いのような気分にさせられるのも不思議だ。

「ん?お前ちょっと熱ないか」
撫でているときに気づいた、名前の体温が自分より少し高いと。

「あぁ、そう言えば少し風邪っぽいかもしれない」
「おいおい、これからが長いのにそんな調子でどうするんじゃ。
着いたら起こすからもう寝なさい」
おちゃらけた性格は変わらないのにこういうところは随分大人っぽくなったと思う。
まあこんなじいさんになったんだから当たり前か
名前は大人しく、ジョセフの言う通り薄手の毛布をかぶりもう寝ることにした。


夢をみた。また未来の夢だ
香港で敵に出くわすが肉の芽を植えられている、なるほどどうやら仲間になるらしい。
そして次に海上での戦い。海上では船の船長が犯人か
その次は船そのもののスタンドか…
こいつはオラウータンがスタンド遣いだと!?
…いや、まぁ動物にも精神があるし不思議ではないか…。

『今日はやけに真剣にみるね、いつもつまらなそうに見ているのに』
「やぁ。ジョナサン遅刻かい?」
今日は不思議なことにいつも私より早くいるはずのジョナサンが
私より後に現れた、まぁそんな日もあるかと名前はヴィジョンが流れ終わり次第ジョナサンに向き合う。

「私はDIOに会うことに決めた。
君のお願いでもあるし…、聖子さんが危ない」
『ふふ、やっぱり君は優しい子だね。』
よしよし、と撫でるジョナサン。
(いつまで私を子ども扱いする気だッ)
名前は少し不貞腐れたがやっぱり悪い気はしなく、振り払えなかった。

『おや、もうお別れかい。名前、君最近睡眠浅いんじゃあないのかい?』
「知ってるかい、夢ってのは睡眠が浅い時にみるんだぜマヌケ」
『じゃあ君はいつも寝不足ってわけか。』
「あぁ、君のせいでクマだらけさ」
こんな喧嘩のような茶番のし合いも仲がいいからこそできることだ。
名前もこんなに早くジョジョと離れるのは寂しかったが、
霞む目を閉じて名前はまた現実の世界へと戻る。


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