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誰の奥様でしょうかBの壱




私は見てしまった。旦那のスマホを…


仕事から帰って来た旦那が息子と風呂に入ってる間の事。
机の上にあったスマホが震えて、ポップアップが表示された。
それがふと目に入った時は見間違いじゃ無かろうかと目を疑って、まじまじと覗いてみたのだ。

そこにはアニメイラストのようなアイコンでSNSのメッセージが表示され、衝撃的なメッセージが表示されている。


『今日は会えないの?』


目の前がくらくらするような衝撃に、心臓もバクバクと煩く脈打ち、息が苦しい。


「う、そ…」


頭に浮かんだのは"浮気"
夢ちゃんは良いよねー!旦那さん、夢ちゃんに夢中だもん。浮気の心配とか絶対ないし。なんて友達に言われていて、実際私も心配していなかった。
だって私の旦那の束縛、嫉妬が凄いから。
確かに私も怖いくらいに執着されてると思っていたし、私達の出会ったキメツ学園では旦那から睨まれるのを恐れて男子は私に話を掛けられなくなっていた。

この学校の先生達はイケメンが多い。
カッコいいと入学早々に女子達の話題に登り、放課後にイケメン先生達に会いに行こうと新しい友達と先生巡りをしていたら、旦那に気に入られてしまい、最初はそれはそれは女子グループから外されそうになったり、嫉妬の眼差しを向けられてヒヤヒヤもんでこれからの学生生活どうなるんだー!?と焦ったが、旦那からの束縛を友達が知るとだんだんと憐れまれるようになった。
束縛が酷いと言っているけど、別に交際をしている訳ではなく、でも、当然のように彼氏面をされて謎の関係。
そして、この学園の先生達は皆ロリコンなのか…別のクラスの女子は正式に煉獄先生とお付き合いしていて、また同じクラスの女子で冨岡先生に小間使いされられている子がいて、付き合ってはいないらしいけどあれは冨岡先生のお気に入りだと皆が思っていた。そして、私は旦那に恐怖支配された高校生活を送っている女子として有名人だった。

煉獄先生のようにお付き合いしているならまだしも、よく分からないまま、いいから俺の言う通りしろという暴君に逆らえず1年生を過ごす。1年の時でも問題だったと思うが更に問題なのは2年生からだ。2年になると皆、彼氏ができたり、元カレの話だったりで恋愛トークがより豊かになり楽しそう。だけど1年の間、謎の恐怖支配生活を送って来た私には恋愛経験が無くて皆の話をいいなぁ、楽しそうだなぁと聞いていたし、私も彼氏がほしいと思った。
皆、私には先生がいるじゃん!って言うけど、先生が彼氏?想像したら、はい、すいません。と答えてる自分しか想像が出来ず、とても甘い雰囲気なんて想像出来ない。
実際の親よりも厳しく、昨日は返事が遅かったが俺に内緒で出掛けていたんじゃないだろうな。帰宅したんなら先ず、報告をしろ。次のテストは80点以上が必須だ。分からない教科は全部俺が教えてやるから放課後来い。お前、授業中に寝顔晒してたらしいな、そんな事して俺が怒らないとでも思ったのか。足遅いな、早くなれ。まぁ、想定内の事から予想外の事までいろいろ言われてきた。最後のだけは初めて「無理です!」と口答えした記憶がある。
先生にとって私はなんなのか、怖くて聞けなかった疑問をある日の放課後に勇気を出して聞いてみたのだ。


私は先生のなんなのですか?と。返ってきた答えは俺の物。いや、本当にジャ○アン。
俺の物って結局なに?勇気を振り絞って「私も恋がしたいので解放してほしいのですが!?」と口にしてみたが、やはり言わなければ良かったと後悔。何故か部屋の鍵を閉めた先生が怖い顔で近付いて来て、入り口の窓から死角になる場所に連れてこられ、ぶるぶる脅える私の口を先生の口で塞がれてしまった。

恋愛は@好きになる→A告白→B付き合う→C手を繋ぐ→Dキス→Eエッチの順番を思い描いていたのにいきなりD番が訪れてしまいパニックになったけど、更にその時、D番で終わらずE番まで済まされてしまい。暫く放心状態になった事は忘れない。

それからはE番!E番!E番!の日々。
酷い時はE番×2+αがあり、気をやってしまった私は気づけば先生の車で家まで送り届けられ、そして、いつの間にやら母親と仲良くなっていた。


「いつも放課後まで熱心にご指導頂いてすみません。それなのにこの子ったら寝るなんて」


「連日頑張ってくれていますので。こちらも教えがいがあります」


「先生、晩御飯食べて行かない?」


「折角ですがごまたの機会に」


誰これ?初めて見た別人対応にポカンとした。お母さんこの人がさっきまで教えてくれたのはE番です!と思ったが言える筈もなく、先生はそのうち我が家で晩御飯も食べるようになり、父親とも仲良くなってしまった。

そして、高校卒業と共に別人対応の先生が娘さんと交際させてください。と両親に頭を下げ、先生なら安心だ!とポイッと家を追い出され…そこからは同棲と言う名の軟禁生活がスタート。

家に私を閉じ込めた先生はやっと安心したと言っていた。確かに安心したのか、今までは怖い顔しか見ていなかったが優しい表情を見せてくれるようになり、どろどろに愛してくれたし、私も好きになった。
順番はDEBC@とめちゃめちゃでA番は無かったけどA番をすっ飛ばしてプロポーズされ、二十歳と共に籍を入れて夫婦となった。

最初から優しくしてくれれば良かったのにって思ったけど、今はまぁ、もう旦那そっくりの可愛い2歳の息子もいて心温まる幸せの日々だった…ついさっきまでは。


「固まってどうした」


「…いや何でもないです」


「おかあさん、お腹すいたー」


「そうね、ご飯食べよっか」


旦那から不審そうな視線を送られるも振り切ってご飯を食べる事にする。




その夜は寝付けなかった。

旦那が浮気している事実が衝撃過ぎて、さっきは走馬灯のように昔を思い出してしまった。
今、家族3人こうして川の字で仲良く寝ているが近い将来、川の字を描いて寝れなくなるかもしれない。
旦那はきっとロリコンだし、今は息子もいるから前のように毎晩セックスもしていないから、きっとまた昔のように学校でまたお気に入りの子を見つけたんだ。

『"今日は"会えないの?』と言うことは普段合っていると言うことだ。酷い。高校時代は恐怖支配をして自由を奪い、卒業したら軟禁生活で働きにも出ていないので社会でもすぐにやっていけるようなスキルも持ち合わせていない。
離婚されたら両親を頼るしなかい。それともこのままなんだろうか。離婚したとなれば周りの目が気になるかもしれない。どっちにしろ辛い未来しか想像できなくて泣いてしまいそうだ。




他に好きな人が出来てしまったの?今は他の人を抱いているの?

私と息子は捨てられるの?




「お前、昨日寝てたか」


「うーん、お昼寝したからか寝付き悪かったんだよね」


「体調悪いわけじゃねェんだな?」


「うん、大丈夫」


「無理するな、体調悪くなったらすぐ連絡しろ。分かったなァ?」


「うん、分かった。いってらっしゃい」


「あァ」


片手でぎゅっと抱き締められてから、軽いキスをし、息子の頭を撫でてから旦那は学校に向かった。




「はぁ」


今日何度目のため息だろう。
一通りの家事は終え、夜に寝なかった分、体はダルいのに寝れそうにない。

これから本当にどうなるんだろう…
不安は大きくなる一方で誰かと話したい、相談したいと思った私は唯一異性で連絡先を知っている人間にSNSを送ってみる。
するとすぐ電話が掛かってきた。


「もしもし」


「どうしたんだ?」


昨日見た事を正直に伝えると…




「ハァァァアッ!?兄貴が浮気!?絶っっっ対にありえねェ!」


スマホから玄弥の大声が寝不足の頭にジンジンと響いた。



end.


不死川さん家の奥さん続きます。



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