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産屋敷 実弥くん6




何だか知らねェがしょぼくれた様子の俺のくそ可愛い彼女。
面白くねェのは俺の方だ。
秘密にしていたかった天元に見つかり、案の定気に入られやがって。そして、くそ気に入らない義勇なんか構いやがって。俺を構えやァ、俺に会いに来たんだろうがァ。

お袋と話している時は緊張しながらも、そのくりくりの目を輝かせていたくせに、家まで送ると俺と2人っきりになった途端にしょぼくれるってどういう事だ。


「実弥くん…怒ってる?」


「…怒ってねェ」


なんだ、俺がお前に怒ってると思ったのか。
俺の機嫌を伺うように不安げな目でチラチラ見てくるのがくそくそ可愛い。力一杯抱き締めて愛でてやりてェが誰が見てるかわからねェ、今は外だ。
夢に手を伸ばしてしまいそうになるのをグッと耐える。


「実弥くん…もう勝手に押し掛けたりしないから、ゴメンね」


「怒ってねェって。寧ろ、家に連れて行かねェから不安にさせた事は悪いと思ってる…これからはたまに遊びに来い」


「本当!?いいの!?」


「…天元の居ない時なァ」


うんうんと大袈裟に頷き、先ほどまでのしょんぼりモードから一転して花が咲いたようにぱぁっと笑顔になりやがった。
本当にコイツを見てて飽きる事はねェし、簡単なやつヤツでやっぱりくそ可愛い。


「あと、あまり他の奴に構うな。特に義勇」


「えぇ!?義勇くんは大丈夫じゃない?仲良くなれたと思うし」


それがダメなんだよ何でわかんねェかなコイツ。お前の胸に顔を埋めてムフフとか笑うやべェクソガキなんだよ!気付けやァ!


「…はい、すいません。程々にします」


無言で睨めば不味いと思って謝ってきた。

暫く、無言で歩いていると遠慮気味に指先を優しく掴まれて横を見ると上目遣いで俺の方を様子を伺うように見上げている。

くっそ可愛いぃぃ

指を絡めて手を繋いでやれば顔を赤くして嬉しそうにはにかんだ。
こんな事で顔を赤らめられたら先に進まねェから慣らしていかなきゃなァ。


「慣れろ」


「!…うん!実弥くん、あの、私、実弥くんに嫌われないように頑張るから!だから、別れるなんて言わないでね!」


はぁ?別れる?コイツやっぱり全然解ってねェ。
お前しか俺には考えられないってのに俺が別れるなんて言うわけねェし、別れてほしいと言ったってそんな気なんて更々ない。
伝わってねェな俺の気持ち。


「解らせてやらねェとなァ」


「何を、あっ…ん、…さささ実弥くん、外っ!」


「お前が俺を解ってねぇみてェだからなァ」


少しキスしただけで真っ赤になっちまって。
さっきもっと濃いのしただろうが。


「今日の実弥くん、どうしたの!?」


「お前が悪い」


「え!?ごめんね?…何が?…わぁ、髪ぐしゃぐしゃになる!」


「可愛いお前が悪い」


「か、かわっい?本当どうしちゃったの?」


「覚悟しとけ」


「何を?」


全部貰うから、お前の身体も戸籍も未来も。
全部俺のもんだ。


「実弥くん、解るように教えてくれる?」


「あァ、近い内に身体に教えてやる」と言ったら俺の初で何処か抜けてるクソ可愛い彼女は顔も耳も真っ赤にしてフリーズしちまった。



end.



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