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8話




_人人人人人_
> 速報 <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y ̄

自分のスマホにポップアップで表示された。

また嫌な予感しかしねェ。
というか、またあの送り狼グループトークに送られて来たって事は十中八九また俺か夢の話だ。


しかし、気になって無視もできないので風呂あがりに缶ビールを開けながらグループトークを開く。



_人人人人人_
> 速報 <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y ̄

『不死川がついにデートに行くらしい』


『もしかして…胡蝶とデート』
伊黒の要らん速報に宇髄がありねェ事を言い、
煉獄は『もしかして…妄想』と失礼な事を送って来たのでそれについては許せないので返信する。


『妄想じゃねェ。夢と今週末デートだ。で、伊黒はまた甘露寺から聞いたのか?』


『そうだ、蜜璃の美味しいハンバーグを夕食で食べながら聞いた』


『惚気は要らねェ。なんでアイツも話ちまうのか…』


『貴様が弁当をリクエストするからだろう』


『よもやっ!』『ファーー!!』と送ってくる2人は無視だ。


『人にお弁当を作るのは初めてらしく、どんなお弁当にするか悩んでいるそうだ』


自分の心拍数がぐんっと上がったのが分かる。初めても嬉しいし、俺の為に悩んでくれているとか脈ありなんじゃないかと期待してしまう。


『やったな不死川!夢の初めてが貰えるぞ!』


『お弁当処女よりも身体の方はどうなんだろうな?』


ぐっ…宇髄の質問は俺がずっとずーっと気にしていた事だ。


『それは伊黒も流石に知らないか?』


『流石に知らないな。だが、半年付き合ってた彼氏がいたならば処女ではないと思うが』


『だよなー俺様だったら身体の相性確めてから付き合うから半年何も無いなんて考えられねー』


先ほどの心踊る気持ちからどん底に落とされた気分に変えられてしまい、缶ビールを一気に飲み干して缶を握り潰す。
キッチンに向かい、ぺしゃんこの缶を捨ててジョッキを出し、氷を詰める。最近すっかりお気に入りのウイスキーを適量注ぎ、ストックしてある強炭酸で割ればハイボールの完成。

俺がハイボールを作っている間にも不謹慎なメッセージは続き俺を苛立たせる内容ばかりだった。


『まぁ、処女じゃないのはしょうがない。ちんたらしていた不死川が悪いと思うぞ』


『処女じゃない方が楽しめるかも知れないしな!落ち込むなよ!意外に経験豊富だったりしてな』


煉獄の言葉は胸をえぐるし、宇髄の言葉はひたすらに苛立たせる。


『そんな軽い女じゃねェよ。お前が遊んでる女と一緒にするな』


確かに学生時代、付き合った事の無かった俺はどうアプローチしたらいいか分からず、失敗したくなくてもたもたしてしまった結果だ。
悔やんでも悔みきれない。
夢もあんなナヨナヨした男の何が良かったのか。


「あ"ーくそっ」


やはり抱かれてしまったのだろうか。
あの柔らかい身体を。別の男に触らせて。
経験豊富なんて望んじゃいねェ。何も分からなくていい、俺が一から緊張する身体を解して目一杯大事に愛してやるのに。


スマホに目を移せば、『悪かった。そうだな、おっぱいは軽くないな』『何処にデートに行くんだ?』『キメツ臨海公園らしいぞ』と自分がメッセージを送らなくても会話は続くようなので通知をoffにしてもう放置する事にした。


ハイボールを飲みながら、夢のトーク画面を開く。
新しいメッセージなんてない。それでも開いて見たくなってしまう。

今日はアイツがキャン伝のサインをもらいに来てくれたなァ。
あの時、もう本社に電話かけていてコール音が鳴っていたが切ってしまった。
あまり俺の所には来ないから嬉しい。煉獄や甘露寺が空いて無かったからと言っていたがそれでも前よりは話かけやすくなったからだと思いたい。
返品商品の戻し先を間違えて焦る姿は可愛かった。もっと知りたい、もっと色んな表情を見てみたいし、毎日連絡も取りたい。


そういえば、日曜は何時からにするか決めていなかったな。
調度いい。連絡を取る口実ができた。


『お疲れ。日曜は何時からにする?』とメッセージを送るとすぐ既読がついて嬉しくなる。


『お疲れ様です。車でどれくらいかかりますか?』


『2時間くらいってとこか』


『では、10時でどうでしょう?』


『いいぜ。お前ん家に10時に迎えに行く』


『ああ、すいません。お礼するはずが余計に手間かけさせてしまって』


『気にすんな。俺も行きたかったし』と文字を打ったが消した。『気にすんな。俺もお前と行けるの楽しみにしてる』に打ち変えて送った。

すぐに既読がつくけど、さっきのようにすぐ返事が返って来ない。それだけで不安になる。本当に夢の事になると弱くなる自分が嫌だ。


『お弁当頑張りますo(`^´*)私も楽しみです!!』
少しすると返事が返って来たが俺と行きたかったと、俺が期待する返事ではなかった。





すぐ返事がなくて不死川が不安になっている時…


『おい、夢』


珍しい人からメッセージが来て驚く。宇髄さんだ。


『お疲れ様です。どうしましたか?』


「わわっ、電話!?もしもし?」


「お前、日曜デートなんだってな」


「デートじゃないですよ!不死川さんにお礼として遊びに行くんです!」


「なんだそりゃ?まぁ、いいや。金曜日ネイル変えようぜ。仕事終わりいいか?」


爪も伸びてきた事だし、ありがたい。
日曜日にちゃんとした姿でいないと不死川に申し訳ない。


「はい、お願いします!」


じゃあ、またな。と言って電話が終わり、不死川に返信をしなければ。
不死川とのメッセージ画面を開き読み直すも、心拍数が早くなってしまう。


「やっぱり、お前と行けるのって書いてある。もぉー不死川さん…勘違い起こしそうになるよ…」


この言い方だったら、私と行きたかったと言われてるいるように思ってしまう。

不死川は大学の時に一時期、女遊びが激しいと噂が流れた時があった。
もしかしたら、誰にでも勘違いさせるような発言をするのかもしれない。そして、簡単に引っ掛かればパクっと食ってポイっとする人なのかもしれない実は…


いきなりポイっとされた経験のある私はすっかり恋愛に臆病になってしまった。

一先ず、当たり障りの無いような返事をしておこう、うん。


「はぁ〜今から緊張するんですけどー!」


end.




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