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6話




昨日の今日だが、兄貴に行きたい場所聞いてきた事を夢に伝えるとまた昼を誘われた。仕事中だったがまた兄貴に変な疑いをかけられても嫌なのでSNSで簡単にお礼の件でまた昼食べてくる。と送ると、わかった。と返事が来たが、いつもの席に座る兄貴の顔はとてもわかった人の顔ではない。不機嫌だ。


夢に兄貴もキメツ臨海公園行きたいみたいだよ。って教えてやると、でもそれって私は車運転出来ないから不死川さんに連れてってくれってお礼じゃなくておねだりしてるみたいじゃない?と言われた。


「い、いいんだよ、兄貴も行きたかったけど、行く人いなかったんだから!夢が付き合ってやって!」


「えー!私なんかと行って楽しめるかな不死川さん?」


それはもう楽しめるどころの騒ぎではないから安心して、可愛く兄貴に上目遣いでおねだりしてやってほしい。


「たまに遠出したいって言ってたし」


「うーん、いいのかなー?そして、ちょっと恥ずかしいな…デートみたいで」


そうだデートなんだ!夢!デートだと思って兄貴を意識してほしい。


「デートだと思って行けよ」


「緊張スルカラ止メテクダサイ」


「とにかくキメツ臨海公園行きたいって兄貴に言えよ!」


はーい。と言ったがどこか納得のいっていない表情の夢。
その後もバーガーショップの帰り道、緊張するー!ホントにそれでいいのかな!?と終始悩んでいた。
会社に戻るとまた兄貴に遭遇したけど、今度はきっと態と待っていたと思う。


「あ、あの!不死川さんっ!」


お、早速夢も言うんだなと思っても俺は先に戻るわ。と2人にする事にした。




「先日はすいません…タクシー」


「あァ、気にしなくていいぞォ」


「あの、お礼になるかわからないですが玄弥が不死川さんも…」

「夢いいところにいた。キャンセル伝票の上げ方がわからない。来てくれ」


言うなら早く言っちゃえと勇気を出して不死川に話し出した夢に横から冨岡が割り込んできた。


「えっと…」


「どうした?不死川と話してたのか?」


「…冨岡ァ」


「割り込んですまない。先に話してくれ待っている」


待っているから会話をしろと言われて人前で話すにはあまりにもプライベートなお誘いなので話しづらい。
不死川は邪魔されて顔に青筋が浮かんできて、夢はもう萎縮してしまった。


だからコイツ嫌ェなんだよォっ!死ね冨岡ァァっ!と不死川は心の中で叫ぶ。


「何だ?ないなら行くぞ夢」


「あの!ちょっと!」


冨岡は夢の腕を掴んでスタスタと自分のチームに連れていってしまった。



仕事を始めた玄弥は首を傾げた。
さっき兄貴をデートに誘ったのであれば己の兄は有頂天になっているはず。何故、あんなにぶちギレた顔をしているのか分からない。


冨岡の邪魔が入った次は煉獄と宇髄ペア、そして最後にまた冨岡に邪魔をされ、結局夢はこの日会社で不死川を誘う事ができなかった。

でも、やっぱり早く伝えたくて帰宅してからSNSで伝えようと考える。
本当は直接誘ってみて本当に迷惑そうにしていないか表情を確認したかったが会社じゃまたいつ誰に邪魔されるかわからないと思った。

恐る恐る不死川にお礼として、迷惑でなければ不死川が行きたいと聞いたのでキメツ臨海公園に一緒に行かないか。とメッセージを送ってみる。

すると、すぐスマホが震え出し、見ると不死川から電話がかかってきた。


「もしもしっ!お疲れ様です!」


「随分元気いいなぁ、今、大丈夫かァ?」


「だ、大丈夫です!」


「いつが都合いい?」


「は、え、本当にいいんですか?」


「あァ…俺も息抜きに行きたかったからありがてェ」


「私はいつでも大丈夫です!」


「今週末でどうだァ?」


「日曜日でお願いします!」


「じゃあ、今週の日曜なァ?…俺、お前の弁当食いてェから頼むわァ」


「りょ、了解です!」


「ふっ、楽しみにしてるぜェ。おやすみ夢」


「はいぃ、おやすみなさいませ」


電話が終わり力が抜ける。いつの間にか夢は姿勢を正し、正座をして電話をしていた。通話は2、3分ぐらいの短いものだったが随分長く電話したように感じて疲れてしまった。不死川とはどうも気軽に話せなく、緊張してしまう。


「というか、お、お弁当って言ったよね!?」


とんでもない約束をしてしまった!




一方で不死川は、家でガッツポーズしていた。
"お前の弁当が食べたい"はとっさに思い付いた不死川の精一杯のアピール。玄弥が聞いていたら兄ちゃんよくやった!と褒めてくれるだろうが送り狼グループトークメンバーだったら、そうはいかないだろう。
良かったな、ぐらいは言ってくれるかもしれないが、だいたいはもっと積極的に行けよ!とか、お前と行きたいんだ!ぐらい言えよと言われるのが落ちだ。

玄弥には報告しよう。
俺のために頑張ってくれたんだし。だけど、他の奴らには黙っていよう。


「はぁ〜今週末が待ち遠しいぜェ」


ソファに横になり日曜日の妄想を始めた不死川の顔は穏やかで幸せそうだ。

夢はお弁当を約束通り作って来てくれるだろうか。いや、真面目な彼女の事だきっと作ってくれるはず。日曜日だけではなくて毎日夢の飯を食べたい。そして、お前も毎日食べたい。

日曜日は触れてもいいのだろか。少しでも触れたい。
混んでいたらいい、それを理由にはぐれないためにと手を繋げる。
はぐれそうになって俺の服の裾とか掴んでくれたらくそ可愛い。
まず夢はどんな服装で来てくれるのか楽しみだ。
いつもブラウス姿だけど、ノースリーブニットとか着てくれたらエロい。かなりグッド。しかし、他の野郎には見せたくないなぁ。なんたってFカップだから目立ってしまうだろう。
土曜日は洗車して、車もピカピカに磨き上げて準備しよう。…そして、もしもだ!もしもの為に部屋も掃除して、ベッドシーツも新調しておこう。

今日はまだ火曜日。
まだ数日あるが胸がドキドキして、浮き足だってしまって仕方がない。



end.



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