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2話


「かんぱーい」


仕事が終わり、朝に炭治郎が言ってた居酒屋に飲みに来た私達。
皆でそれぞれのグラスを持って乾杯し、煉獄、宇髄、伊之助はもう一気に飲んでしまったようだ。


「おかわりを頼むついでに、簡単な物頼もうぜ」と言いながら隣に座る宇髄が呼びベルを押す。


今日は煉獄、炭治郎、善逸、伊之助、玄弥、宇髄、甘露寺、冨岡、不死川、カナヲ、夢の11人。伊黒は先週までのセールのデータの集計に忙しいそうで帰りに甘露寺を迎えに来るという。いつも順調なカップルで羨ましい限り。同じサブマネージャーの不死川は遅れて参加するらしい。本当は胡蝶も来るはずだったが、同じ伝票チームの冨岡が胡蝶を怒らせた為、不参加になった。マネージャーの悲鳴嶋は妻子持ちのなので、奥さんが晩御飯を作って待っているそうで不参加。


店員がやって来て、皆ビールや、すぐ出て来そうなおつまみを頼んでいく。乾杯で一気飲みした面々意外にも皆待ってる間に結構飲んだようで殆どのメンバーが追加のドリンクを頼んでる。善逸だけは伊之助に横取りされてなくなっておかわりしていた。


「しまった、サツマイモは置いてないのか聞くのを忘れてしまった!」


「ねーよ、メニューに無いだろ」


「鮭大根…」


「それもねーよ、つかブリ大根はあっても鮭大根はねーよ」


宇髄にツッコミを入れられた煉獄と冨岡はしょんぼりしているように…見える。多分。いつもと表情が変わらない為わかりずらいが。


「天ぷら!」


「だから、メニュー見ろやお前等」


「あ!伊之助天ぷらあるよ!季節の野菜の天ぷら」


「よっしゃ食ってやるぜ!」


ドリンクやおつまみが運ばれてきて、ふと左隣の玄弥のお酒が気になった。


「玄弥何頼んだの?」


「これはコークハイボール」


「へぇ〜一口もらってもいい?」


飲んでみたいと思った夢だが、玄弥の戸惑った反応を見て嫌だったのかな…と思いちょっと傷つく。
玄弥が寄ってきて内緒話しをするような動きを見せたので夢も耳を傾けた。



「飲んでも構わねぇが……兄貴には内緒だぞ」



兄貴には内緒?兄貴って不死川さん?…?頭の上にハテナが浮いてしまってる夢に玄弥はホラよと自分のコークハイボールを渡す。


「あ、ありがとう」


何故、不死川さんに内緒なんだろうと疑問は消えないけど頂いたジョッキに口をつけた。


「あ、ハイボールよりは飲みやすい!これなら私でも飲めるかも」


ありがとう、と言って玄弥に戻したジョッキは玄弥が受け取る前に後ろから伸びて来た手に持って行かれてしまった。


「不死川さんっ!?」


後ろを振り向くと不死川さんの手には奪ったコークハイボールがあり、それを勢いよく飲み干そうとしている。


「はァ…甘ェ」


「お、お疲れ様です」


「あ、兄貴…俺!炭治郎の方の席に座るからここ座って!」


周りから不死川へのお疲れ様ーの声が聞こえる中、夢は焦っていた。

玄弥ー!!行かないでー!!と夢の心の叫びが聞こえるはずもなく玄弥はそそくさと席を空けて逆サイドの炭治郎の方に行ってしまった。
不死川が夢の横に座り、ギッと睨できたので私が席を空ければ良かったのか!?お前が避けろよって顔!?と困惑。


「不死川さん、玄弥が隣の方が良かったですよね?私が向こうに…」


腰を上げようとした所で不死川の手で肩を抑えられて出来なかった。


「いや、構わねェから座ってろォ」


「すいません」


構わないなら自分は何故睨まれたのか。


「兄貴思いの弟だな」


「うるせェ…宇髄黙ってろォ」


「へいへい、ビールでいいか?」


「頼む」


おねーちゃーん!となんとも軽い呼び方で近くを歩いていた店員を宇髄が呼んでビール2つを頼んだ。


もう飲んだのか宇髄さん…相変わらずハイペース。


そして、不死川のビールが来た所で再度、乾杯。炭治郎達がメインの焼き魚やら海鮮料理を頼み、煉獄と甘露寺は一人で一皿食べるようなのでカニチャーハンは全部で4皿も注文している。


目の前に運ばれてきて来た美味しそうな鮪のカマ焼きを携帯で写真を撮っていると宇髄に覗きこまれた。


「貸してみぃ。こーゆーのは真上から撮るよりっ……こー撮った方がいいだろ?」


「本当だー!流石ですねー!」


どうだっと言わんばかりの表情の宇髄はネットに掲載する商品の写真を撮ったり、元々は画家であり今でも絵を描いていて、キメツショップで「tengen」の名で絵も販売。そして、最近は和柄のネイル商品の販売を始めた為、その見本写真を撮るため女子社員の爪にネイルまで施してしまう美術的センス抜群の持ち主。


「冷めないうちに食うぞォ」


宇髄に気を取られている隙に不死川がカマ焼きをバラシ始めていて、不味い上司にやらせてしまった。と思うが正直、これをどう分解したらいいのかわからない。


「不死川さん、やらせてしまってすいません」


「いい、気にすんなァ」


ご丁寧に取り皿に取り分けられてしまった。自分より女子力高いかもしれない。


「不死川ー俺にも取って」


「テメェは自分でやれっ!」


「私がやり……ます…のに」


自分がやると言いかけると不死川さんが舌打ちして取り皿を引ったくり、宇髄さんの分を取り分けた。


「旨いなこれっ!?」


宇髄さんが美味しそうに食べるので私も食べてみる。こんなに油乗ってるのに魚だからか、しつこくない!美味しい。更に大根おろしを乗せてもう一口。美味しい〜!!

チラッと左隣を見ると不死川さんはまた口をつけていなかった。


「不死川さん、凄い美味しいから食べて下さい」


するとちょっとビックリした顔をして一気にビールを飲み干す。
私、変な顔してたかな…


「おォ、確かにうめェわ」


一口食べて笑った顔にドキッとした。


不死川はパクパクと何口か食べた後、ビールで流し込もうとジョッキを掴むが空だ。


「不死川さん、ハイボール飲めます?」


「?飲めるぜェ」


「良かったら次のが来るまで私のが嫌じゃなければ呑んで下さい」


今度は不死川がドキッとさせられる番だった。


夢はそう言うと不死川の方へジョッキをスライドする。


「…嫌じゃねェ」


絞り出したような声だ。


「ちょっと背伸びしてハイボール頼んでみたけどやっぱり苦手で」


すいませんね、押し付けてと上目遣いに見てくる夢にグッと来て、手に力が入って割り箸をバキリッと音を立てて折ってしまう。


「え、やっぱり失礼でした!?ごめんなさいっ」


夢は焦ってジョッキを自分の元へ引き戻そうとするが不死川に先に奪われてしまった。


「気にしねぇで、お前は好きなの頼め」


宇髄がまた呼びベルを押し、ビールを頼む面々と夢は柚子蜜サワーを頼み、不死川はまたハイボールと割り箸を一膳頼んだ。



その後は何故か合コンのようなノリを善逸が始めてしまい。古今東西ゲーム始めて夢と甘露寺ばっかり負けてしまう。おいー庶務大丈夫かー?と心配され、3回目の一気飲みをしようとした時は代わりに不死川がグラスを奪い一気飲みをした。

酔いが回ってきた冨岡が店員に絡みだした。ブリ大根があるんだから鮭大根も作れるだろう。と。店員がキッチンに聞いてみるとOKだったようで鮭大根が食べれた冨岡はまた来よう、飲み会はこれからこのお店にしよう。と大満足のようだった。


二次会はどうすると話始め、二次会やるなら伊黒さんも呼びたーい!と言う甘露寺はスマホで車を置いて来るよう伊黒に伝えていた。

宇髄が行きつけのダーツが出来るbarを予約し、店を出る。


一気飲みで酔いが回ってしまった夢はうつらうつらしていた。


次の店に向かおうとして皆が歩き出すと、不死川が手を上げタクシーを捕まえた。
ドアが開くと夢の腕を掴みタクシーに押し込み自分も乗り込んだ。


突然の事でポカンとしている夢に不死川は住所を言えと言われて。東京都から言い始め、言い終わると向かってくれ。と言う不死川の声でタクシーが動き出す。


不死川がスマホを取り出すと玄弥に『夢、酔ってるから送るわ』とだけメッセージを送信。不死川と夢がいないと気づくとスマホが煩く鳴り始めそうだったので自分のスマホの電源を切り、夢にも電源を切るよう伝える。


先ほどまでお酒のせいでぽやぽやしていた夢だが突然タクシーに押し込まれ不死川と2人っきりになってしまってから心臓が煩くてしょうがない。
不死川が何を考えているのか、わからない。



end.



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