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4話


手土産を途中で買い、夢は久しぶりに蝶屋敷に来ていた。まずはしのぶに会いに行きて薬や包帯を貰い受ける。


「しのぶさん、いつもありがとうございます!」


「いいのですよ、無くなるって事はちゃんと手当てしてくれているって証拠ですし」


「小さな傷でも気になっちゃって、すぐ薬塗っちゃいます。本当は蝶屋敷に寄ってちゃんとした治療受けてから帰ってきてほしいんですけどね…」


「まぁ、無理でしょうね。蝶屋敷に寄るのは。なんせ不死川さんは早く貴女に逢いたくて逢いたくてしょうがないんですから」


確かにその通りなんだけど、改めて他の人に言われると何処か気恥ずかしくて夢は顔を赤くさせてしまう。


「だ、大事にしてくれてるのは分かるけど私だって実弥くんが大事なのに…」


「まぁ、貴女は不死川さんに黙って護られているのが正解だと思いますよ〜?」


ニコニコと微笑みながら何か裏がありそうな言い方をするしのぶに夢は首を傾けた。


「さて、また昼食の準備を手伝ってもらえますか?そして、食後は夢さんが買ってきてくれたカステラを頂きましょう」


「はい!喜んで!」


しのぶは仕事をするのでと言って分かれ、夢は食堂に向かった。



「アオイさんお久しぶりです!準備手伝わせて下さい」


「夢さん、お久しぶりです。是非、お願いします。まだ、お味噌汁が出来ていないのでそちらをお願いします」


「了解です」


持参したいつものエプロンを身につけていると、思い出したようにアオイが顔を上げて口を開く。


「あと、盗み食いしようてする者が現れるかもしれないので気をつけて下さい」


「伊之助ですね、気を付けます」


伊之助らしいと微笑む夢とは対象に膨れた表情のアオイ。
毎日御飯は作るが量が比べ物にならないぐらい多い。力もいるし、暑い。凄いなぁと思いながら手を動かし味噌汁を作っていく。


警戒していた伊之助は現れず、調度昼時に完成し、アオイはしのぶさんを呼んでくると言って先ほど居なくなった。
夢も鍛練中だと思う炭治郎達を呼びに行こうと廊下に出ると…


「あっ!!夢ちゅぁぁぁぁぁんっ!!」


「「あ、夢!」」


呼びに行こうとした3人組がいて善逸が猪突猛進のように走って来て目の前で止まると両手をぎゅと掴み「結婚してぇぇぇぇ!!」と懇願された。

「あらあら、夢さんに結婚を申し込むとは命知らずですね善逸くん」と言いながらいつの間にか来ていたしのぶとアオイが中に入って行く。


「あ"、言わないで!!風のオッサンには言わないでぇぇぇ!!」


「うるせぇ、弱味噌がぁ」


ポカッと善逸の頭を伊之助が殴り、炭治郎は引いた顔をしながら中に入って席に着いた。
皆で、揃っていただきますをして食べていく。


「今日の味噌汁はいつもより出汁の味がはっきりだ」


「ちょっと多めに鰹節を入れて、お味噌を少なめにしたんだけどいけなかった?」


「いや、とっても美味しいよ」


「ありがとう、炭治郎」


褒められてつい照れてしまう。実弥も美味しいと時々伝えてくれるが普段言われてない人から言われると余計に嬉しくなってしまう。
実弥と2人でご飯を食べる生活に慣れているため、こういった感じで皆でわいわい食べるのもいいなぁと夢は思う。


その後は、食後に手土産で買ってきたカステラを皆で食べた。
伊之助が善逸の分を横取りして食べてしまったので夢が半分こしよ?と善逸に言うと、それを聞いて伊之助が更に横取りしようとしたのを炭治郎が止めに入ったりで終始賑やかだった。



「そろそろ私は帰るね。しのぶさん、アオイさんお邪魔しました。炭治郎、善逸、伊之助またね!任務頑張って!」


「あ、夢!俺たちも町に用事があるから一緒に行くよ」


炭治郎がそういうとにこっと笑った善逸が夢の手を握った。
ちょっとビックリしたが善逸が嬉しそうなのでそのままにしておいた。「おらっ、行くぞ」と行って両手を頭の後ろ手組んだ伊之助が先を歩いていく。


あまり普段、外に出掛けることのない夢は友達と町を歩く事に胸を踊らせながらお店を見ていた。


「あ、甘味処美味しいんだよ!」


「そうなんだ、いつか行ってみたいな〜」


「今度、行こうよ2人で!」


皆とじゃなく2人で?と夢が疑問に思い、首を傾げた時…


「オイィ、そこのクソガキィその手離せェ」


「ひぃ…」「あっ」


地を這うような低い声が聞こえたと思えば…
肩に木材を担いだ実弥に血走った目で睨まれ、情けない声をあげた善逸が夢の手を反射的に離す。


「実弥くん!?木を担いでどうしたのっ!?」


「いいから、行くぞォ」


近付いて来た実弥が夢の手を掴み、炭治郎達に背を向けて歩きだした。
と同時に実弥が担いでいた木材がブンッと後ろを向き、ぶつかりそうになりながらも伊之助と善逸はギリギリの所でかわす。
「何すんだコラァァァ」と怒る伊之助と顔をひきつらせながら「絶対今のわざとだ…」と呟く善逸。
夢が後ろを振り向き「送ってくれてありがとー!任務気をつけてねー!」と手を振りながら叫んだ。



明らかに機嫌の悪い実弥に夢はいろいろ聞きたい事もあるし、蝶屋敷での話しも聞いてほしかったが黙って実弥と手を繋いで帰る事にした。



end.


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