死姦+対物性愛

2.エベレスト
「豆谷さん。俺のものに、していい?」

 返事は、ない。
何があっても自分など好きにならない人が、好きだ。
ゆっくりしゃがんで彼に近づくと、足元で、ぱりっと音がした。

拾い上げると手紙。

中身は紛れもない遺書。家族も嫁も何もかもなくしたから死ぬんだと書いてあって、きれいだと思った身体を裏返すと腹が切れていた。

しかも包丁を刺してある。

これを抜けば、今以上に血の海になるだろうか。

死体は生体よりも飛び散りがひどいと聞く。

鮮度はいつも、恋愛の障壁になるのだ。



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