死姦+対物性愛

5.壁×由来手
「言いにくい話?」

 言葉に詰まってしまう俺のことを、由来手が連れ出す。

「いい場所知ってる」

手を引かれてぐいぐいと廊下を歩いていくと、やがて使われてない屋上のすぐそばの空き教室に来た。
「お前、バカだろ」

「は?」

傷つくと知ってるのに。傷つけたい。


俺は――たぶん、死体になった身体しか愛せない。はずだ。

「俺はお前が好きなんだ」
「嬉しい」

は?
彼が何か言った気がする。
ただでさえ同性。
気持ち悪がっていくところ。
なんだか腹が立った。
人の気も知らない。
 目をそらしたくて、なにげなしに、ちらりと埃まみれの教室の、きたない壁を見る。誰が開けたのやら、小さな穴が空いていた。

「……僕もだよ」

「俺は、由来手の好きとは違うよ」





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