死姦+対物性愛

4.恋の実感
「なぁ」

「なに?」

「なんでも、ない」

「へんなの」


 まるで、喉が、カラカラと、乾くみたいだった。

ポケットにしのばせてきた睡眠薬の箱が、手の中でわずかにかさりと揺れる。
心臓が脈打つ。
 もしかしたら小さい頃は、普通の愛がほしかったのかもしれない。
もしかしたら、今より昔は、生きていてもよかったのかもしれない。

もしかしたら――


 睡眠薬を握りしめた手を冷静に捉えながら、何も悟られぬように彼から目を逸らす。
だって、だけど。
死んだうさぎはかわいかったんだ。
死んだ猫や犬も。
死んだ、人間も。
電池が切れてもまだ、そこに在るわけで。

それは、喋らない、動かない、いつもと違う一面には変わらないわけだ。

どくん、どくん。
胸が痛くなる。



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